Science 免疫チェックポイント阻害剤 オプジーボ開発の出発点 ①

浅野正岳(日本大学歯学部病理学講座教授)さんは、京都大学の本庶佑名誉教授が、「新規がん治療の発展に打開の道を開いた」との理由から2018年ノーベル生理学・医学賞を受賞された。筆者(浅野)は、28年前に本庶教授の研究室に在籍し、受賞の起始点となった Programmed Cell Death- 1 (PD- 1)の発見を目の当たりにした。

基礎研究が長い年月を経て人類に貢献することのすばらしさと生涯忘れ得ぬこの当時のすばらしき研究現場について筆者(浅野)は、お話しさせていただきたい。   コピー・ペー:

 

はじめに

 

 2018年、京都大学の本庶佑名誉教授が「免疫システムがもつがんを攻撃する能力を発揮させるという、新しいがん治療の発展に打開の道をもたらした」という理由からノーベル生理学・医学賞を受賞された。これは現在、保険での使用が許可されている新規がん治療薬「オプジーボ」の開発にまつわるものであり、人間に本来備わっている免疫システムに依拠した、これまでに全く知られていなかった方法に基づく治療薬である。

 いわゆる抗体製剤としてのオプジーボの開発は、本庶研究室(本庶研)で今をさかのぼること28年前にクローニングされた分子 Programmed Cell Death- 1 (PD- 1) の発見に端を発している。

 ノーベル賞受賞の起始点となった PD- 1 の発見を、本庶研の一員として目の当たりにした筆者(浅野)が、今なお忘れ得ないすばらしい本庶研での生活と研究者の熱き生きあまに思いをはせながら、当時の研究の現場についてお話しさせていただきたい。

 

1. Background

 

 筆者(浅野)は1991年から2年半の間、京都大学医学部医科学教室に国内留学させていただいた。これは当時、日本大学歯学部病理学教室の主任教授の茂呂周先生に、「京都大学に行ってトランスジェニックマウスの作り方を習ってこい」といわれたことがきっかけであった。茂呂先生は、米国アラバマ大学のMesteckey 教授のもとへ留学して以来、腸管をはじめとする粘膜免疫の研究を続けておられた。この頃は、分子生物学的手法、特に polymerase chain reaction (PCR) という方法が日本国内で隆盛を迎えていた時代であり、同時に遺伝子工学を用いてある特定の遺伝子を過剰に発現する動物(トランスジェニックマウス)の作製が可能になった時代であった。この技術を応用して研究をさらに進めたいという目的で、京都大学での研究を命ぜられたのであった。

2019年7月20日 (土)

Clinical オーラルフレイル●口腔機能低下症を理解する ⑤

続き:   ま と め    オーラルフレイルは、国民への啓発のためのキャッチフレーズでもある。一方、口腔機能低下症は、検査結果により診断される疾患名である。  従って、オーラルフレイルの用語を用いて...

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2019年7月19日 (金)

Clinical オーラルフレイル●口腔機能低下症を理解する ④

続き:   3. 口腔機能低下症の検査    口腔機能低下症の診断のためには、7項目の検査を行う。多面的な評価のために、7項目すべて検査が必要である。検査方法が2種類用意されている項目は、いずれかの検...

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2019年7月18日 (木)

Clinical オーラルフレイル●口腔機能低下症を理解する ③

続き:   2. 口腔機能低下症とは    口腔機能低下症は、オーラルフレイルの第3レベルの中に位置している疾患。今回、オーラルフレイルと口腔機能低下症の関係性が明確になったことにより、この2つの用語...

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2019年7月17日 (水)

Clinical オーラルフレイル●口腔機能低下症を理解する ②

続き:   1. オーラルフレイルとは    Frailty とは、加齢に伴い心身の機能が低下した状態で、2014年に日本老年医学会はこれを「フレイル」と呼ぶことを提唱した。フレイルは、健康と要介護状...

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2019年7月16日 (火)

Clinical オーラルフレイル●口腔機能低下症を理解する ①

上田 貴之(東京歯科大学老年歯科補綴学講座主任教授)さんの研究文を載せる コピー・ペー:                         要約    2019年5月に日本歯科医師会は、オーラルフレイル...

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2019年7月15日 (月)

Report 2019 0402 通知 ③

続き:    2016年の「医師・歯科医師・薬剤師調査」の結果では、2016/12/31、時点での日本の薬剤師数は30万1323人で、2年前の前回調査に比べ1万3172人、4.6%増加し、初めて30万...

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2019年7月14日 (日)

Report 2019 0402 通知 ②

続き:    さらに、納品された医薬品を調剤室内の棚に納品する行為、調剤済みの薬剤を患者のお薬カレンダーや院内の配薬カート等へ入れる行為、調剤に必要な医薬品の在庫がなく取り寄せた場合等に、先に服薬指導...

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2019年7月13日 (土)

Report 2019 0402 通知 ①

広多勤(横浜ヘルスリサーチ代表)さんのレポートである。 コピー・ペー:    4月2日に厚労省の Web サイトで公表された1通の課長通知が薬剤師界に波紋を呼んでいる。「0402通知」と通称されるこの...

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2019年7月12日 (金)

感染症と人間 (3)―③

「ポスト抗生物質時代 (1)」 続き:                         ※    進化の安定戦略が教えてくれるもう一つの重要なことがある。  メイナードースミスが、この理論を発表したの...

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