Social Science 大人のう蝕リスクとその対処を考える ①

桃井保子(鶴見大学名誉教授)さんの小論文。コピーペー:

はじめに

 2020年5月号には「ソーシャルサイエンス」に、井上美津子先生が『乳幼児のう蝕予防を考える』とタイトルして、子どもの発育時期に合わせたう蝕予防について詳細を解説された。これに続く本稿では、『大人のう蝕リスクとその対処を考える』と題し、生涯にわたり変化するう蝕リスクについて解説し、リスクへの対象を国際標準化されつつあることも含めて紹介していく。

1. 大人になって増えるう蝕

 平成28年歯科疾患実態調査が示すう歯を持つ者の割合の23年間の推移グラフ(略)。幼年期・少年期にかけては、う歯保有率は確かに激減している。しかし、青年期には減少傾向が鈍り、壮年期・中年期は高止まりである。高年期には、一転して増加に転じている。ここには、高齢者がより多くの歯を残すようになった喜ばしい事象と、多く残る歯の、高齢者に特有の根面う蝕が多発しているという難しい現実が重なっている。平成28年のデータだけでも、少年期まで低いう蝕保有率が、中学生、高校生、成人ではその何倍も高いことが分かる。

2, う蝕リスクとは

 長い間う蝕の治療は、どのように窩洞形成し、どの材料でいかにうまく修復するか、いわゆる削って詰めてゴールとしてきた。しかし、近年のカリオロジーは、削って詰めての歯冠修復はう蝕治療代理エンドポイントに過ぎず、真のエンドポイントは、個人のう蝕リスクを生涯にわたり低く抑え込むことにあると、われわれに警告し続けてきた。

 う蝕リスクとは、「これから将来に向けて新たなう蝕が発生する可能性やう蝕が進行する可能性がどれくらいあるかの確率」うぃう。一般には、高・中・低で判定。幼年期・少年期にう蝕保有者が少ないのに、なぜ青年期以降、その増加が止まらないのか。治療が終了した歯になぜう蝕治療が繰り返されるのか。その答えは、う蝕治療を感染歯質の除去と歯の形態と機能の回復で完了とし、生涯変化するう蝕リスクに思い至らなかったからと言えよう。

2021年4月20日 (火)

Science 口腔内超音波診断のご紹介~オーラルエコー~ ⑤

続き: 6. 口腔内超音波診断の歯科臨床における将来的な可能性  本稿では、口腔内超音波診断が鑑別診断に有効であったと思われる口腔粘膜の病変に的を絞って紹介した。特に、表在性の扁平上皮癌と良性病変との...

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2021年4月19日 (月)

Science 口腔内超音波診断のご紹介~オーラルエコー~ ④

続き: 5. 口腔内超音波診断を適用した症例  本項では、日常診療で出合う可能性のある口腔粘膜疾患の中、口腔内走査で特徴的な所見を得られた舌および頬粘膜疾患の典型的な超音波画像所見を述べる。 1) 舌...

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2021年4月18日 (日)

Science 口腔内超音波診断のご紹介~オーラルエコー~ ③

続き: 4. 正常口腔内超音波像  本項では、ホッケースティック型小型術中用探触子により口腔内走査がしやすい舌と頬粘膜の正常像について述べる。 1) 舌  高分子ゲル音響カップリング材を介在させて舌粘...

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2021年4月17日 (土)

Science 口腔内超音波診断のご紹介~オーラルエコー~ ②

続き: 3. 歯科における超音波診断の適応  探触子の走査法により、口腔外走査と口腔内走査に大別できる。超音波診断は硬組織内部の画像化に適さないため、適応となる歯科疾患顎顔面領域の軟組織に病的変化が生...

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2021年4月16日 (金)

Science 口腔内超音波診断のご紹介 ~オーラルエコー~ ①

林 孝文(新潟大学大学院医歯学総合研究科顎顔面放射線学分野教授)さんの小論文を載せる コピーペー: 1. はじめに  画像診断法は、生体内部を可視化する技術であり、日常の歯科臨床において必要不可欠なも...

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2021年4月15日 (木)

Report2021 COVID-19 対策への提言 ②

続き:  ワクチン接種は今後の感染症対策の重要な柱になるが、その効果や副反応については科学的に検証を続けていく必要がある。一方で、治療薬の開発や回復後の後遺症、ウィルス変異の解明などさらに研究が必要な...

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Report 2021 COVID-19 対策への提言 ③

続き:  そして、新型コロナウィルス感染症対策は長期にわたる取り組みになると想定し、「今後に向けて」は、当初予想されていなかった問題が顕在化する可能性もあり、感染拡大の防止に留まらず、予想される社会的...

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2021年4月14日 (水)

Report  2021 COVID-19 対策への提言 ①

広多勤(横浜ヘルスリサーチ代表)さんのレポートである。:コピーペーする。  日本学術会議は、「新型コロナウィルス感染症対策の検討について」と題した幹事会声明を 2021/02/09、発表した。  同幹...

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2021年4月12日 (月)

人間と科学 第322回 今と似ていない時代(6) ③

続き:  福井県南部の若狹町に、水月湖という風光明媚な湖がある。水月湖の底には、年縞が厚さにして45m、年月で言うなら7万年分もたまっている。カバーする時代の長さだけでも特筆に値するが、水月湖の年縞は...

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