犬笛政治の果てに ⑦

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おわりに――みんなの未来を目指しているのは誰か

 主に共和党が展開しトランプが新次元にまで推し進めた、カラーブラインド主義と結びついた人種とジェンダーの犬笛政治は、特定の価値観に規定された「白人男性」「白人女性」としてのアイデンティティに基づいて行動することを白人有権者に促し続けてきた。

 その結果、形式上人種を直接指示しない概念である「福祉」や「大きな政府」はとりわけ黒人と結び付けられて憎まれ、「福祉の女王」に食われてきた税金を「納税者」に返すという名目で企業や富裕層の減税が進んだ。福祉・保健・公教育やその他のセーフティーネットは縮小し、労働者を保護する規制は骨抜きにされていった。

 つまり新自由主義的な政策が犬笛の下に推進されてきたのだ。代わりに、黒人と結びつけられた「犯罪」や「麻薬」のレトリックが強圧的な犯罪取り締まり監獄国家化を促した。トランプ政権も基本的にこの路線を辿ってきた。犬笛政治は、人種やジェンダーに関するレイシスト的で家父長的な分断線を創出して、白人有権者がかれら自身、とくに労働者階級自身に不利益な政治に投票することを、「白人として」投票することだと認識するよう促してきた。

 他方、BLM は「警察予算を奪え(Defund the Police)」と叫んだ。トランプはこれを「法と秩序」を破壊する暴徒と極左の陰謀だと攻撃し、「法と秩序」の人種的意味を聴き取った多数の白人有権者に支持された。

 だが BLM は、白人を攻撃し黒人支配を作り出そうとして、警察解体を主張したのではない。セーフティーネットが奪われ法執行機関の肥大化を促進してきた政治の流れを変え、警察を狭義の犯罪対策に専念させ、公教育やホームレス支援やヘルスケアや職業訓練などに予算を投じることで、白人を含め不利な立場にある全ての人を支援することを目指している。それを「法と秩序」の敵と指弾することは、白人を黒人と敵対させようとする、犬笛政治のレイシズムの発想である。真の対決は人種間ではなく、レイシストと反レイシストのあいだにあるのだ。

2021年1月27日 (水)

犬笛政治の果てに ⑥

続き: トランプを支持する人びと  前回の大統領選の前後から、トランプ支持者が多かった白人労働者階級(特に男性)を扱う書籍がアメリカで相次いで刊行されて多くが邦訳され、日本の著者による書籍も注目を集め...

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2021年1月26日 (火)

犬笛政治の果てに ⑤

続き: 支配人種の民主主義にとっての「不正」  トランプが 2020年選挙の投票日前後に繰り返した「不正投票」という言葉も、実際には非白人の選挙への参加の正当性を否定する犬笛となってきた。  アメリカ...

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2021年1月25日 (月)

犬笛政治の果てに ④

続き: トランプの犬笛  以上の歴史を踏まえれば、トランプ大統領は共和党の半世紀にわたる犬笛政治の総決算であり、かつ犬笛政治をさらに先鋭化させた人物だと言える。彼の発言や大統領としての政策の大半は、白...

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2021年1月24日 (日)

犬笛政治の果てに ③

続き: 共和党の犬笛政治の半世紀  共和党の犬笛政治が最初に「成果」を生んだのは1968年大統領選挙である。共和党候補のリチャード・ニクソンは、共和党に対する南北戦争以来の反感から民主党を支持し続けた...

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2021年1月23日 (土)

犬笛政治の果てに ②

続き: カラーブラインドというレイシズム  トランプの政治手法、そして1960年代以降のアメリカ政治文化を理解する上で重要な概念として、「カラーブラインド主義(color-blindness)」と「犬...

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2021年1月22日 (金)

犬笛政治の果てに ①

兼子 歩(明治大学政治経済学部専任講師)さんは「トランプ大統領の4年間を歴史的に考える」として述べる。これは「世界 1」よりコピーペー:  2020年11月のアメリカ大統領選挙は、民主党のジョー・バイ...

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2021年1月21日 (木)

Clinical 口腔癌の早期発見を目指して ~光学機器を用いた検出法~ ⑦

続き: 7. 口腔がん検診の普及に向けて  国立がん研究センターがん対策情報センターの情報では口腔、咽頭癌は年々罹患率、死亡率とも増加傾向にある。さらに女性の占める割合が増加し、若年者化している傾向も...

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2021年1月20日 (水)

Clinical 口腔癌の早期発見を目指して ~光学機器を用いた検出法~ ⑥

続き: 5. 蛍光ロス断端部の病理組織学的検討  口腔粘膜蛍光観察装置の有用性検証するために、大西・中嶋らはT1およびT2 舌癌 20 サンプルにおいて蛍光ロス断端部を病理組織学的に検討した。  手術...

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2021年1月19日 (火)

Clinical 口腔癌の早期発見を目指して ~光学機器を用いた検出法~ ⑤

続き: 4. 口腔粘膜蛍光観察装置による実際の蛍光像 1) 正常粘膜における蛍光像  正常の舌縁部では青緑色の自家蛍光様々な発色を認める。部位により励起光の照射角度、照射距離によって若干の差はあるもの...

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