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2008年6月11日 (水)

主計官の権限

アメリカが財政赤字の削減を本格化させたのは、1974年予算法以降これは予算委員会を設置と同時に、議会予算局を作り議員自ら理論武装する様になった。スウェーデンも1993年以降、発生主義会計の導入や業務に関する年次報告書の作成といったエージェンシー改革、これに対する会計検査院の監督強化などを通じて、1997年に、経済予測や決算値が当初予測とずれた場合の報告の義務を強化した。他の国々では、予算総額に歯止めを設ける一方、予算に対する議会統制を強化し、それぞれの費目及び費目間において金額のやりとり可能にする仕組を設定した。わが国は、財務省主計局の主計官が各省庁の担当となり、査定権限を握っている。この仕組のもとでは、費目間の予算の移し替えは他の主計官の権限侵害となってしまう。そして財務省の決定するシーリングが予算を制約するなら、人々とのニーズはきわめて効率の悪い把握の仕方であろう。1990年代で、ある世論調査によると、その時、国民は福祉の拡充を求め、その財源として増税を許容していた。がしかし、こんな国民の要求とは異なり、公共事業が実施され続けたことは、人びとのニーズ把握に関する国の能力に限界があると言われても仕方がないことである。

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