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2008年6月10日 (火)

わが国のシーリング

わが国は、1980年代に予算の概算要求基準を導入して以来、予算編成の出発点として要求の上限であるシーリングが設けてある。これを、形式的に決定するのが経済財政諮問会議であり、実際は、財務省が行っている。2008年度予算は、社会保障支出は、自然増分を除き、対前年度比で同額だ、義務的経費を除く、その他の経費はマイナス3%が予算要求の基本となっている。このような仕組は他の先進国には例がない。アメリカの財政再建での包括財政調整法は、裁量的経費に上限を設けて予算を抑えるけれど、義務的経費は、歳出増大を認めたうえで、必要な財源として増税あるいは、他の経費の削減を要求。全経費の2/3を占める義務的経費に関して、弾力的な歳出を可能にしている。スウェーデンも、通常の予算審議に先立ちフレーム予算を決定している。即ち、3ヶ年の歳出総額を出す。歳出の上限は議決を条件に、他の分野へと調整可能にすることが出来る。フレーム予算によって、総枠を歯止する一方、個別の費目に必要に応じて、歳出できる仕組になっている。イギリスのコントロールトータル、カナダのプログラム・レビューなど財政再建のための手法は様々にある。どれもみな、総額を抑制する一方で、年度間ないし事業間の予算再配分を認めている。わが国のシーリング予算は個別の費目に画一的な上限を設けた機械的で、硬直的、特異な仕組なのである。

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