« 日本の派遣は世界水準の規制へ引き上げること | トップページ | 火山の噴火 »

2010年6月19日 (土)

穴だらけのセーフティネット

都留民子(県立広島大教授)さんの参院選における争点とは、21Cになって10年も経たが、国民の暮らし向きは多少改善されたか?林 芙美子の『放浪記』から、行商・女工・女給…と苦界の最底辺で芙美子は「…金は天下のまわりものだって言うけど、私は働いても働いてもまわってこない。…私が働いている金はどこへ逃げていくのだろう。…私は働き死にしなければならないのだろうか!」「お腹がすくと一緒に、頭がモウロウとして来て、私は私の思想にもカビを生やしてしまうのだ、ああ私の頭にはプロレタリアもブルジョワもない。たった一握りの白い握り飯が食べたいのだ}と叫んだ。それから80年後の国民主義の民主主義国と言われる日本、北九州では生保を打ち切られた男性が「おにぎりが食べたい」とひっそり書き残して、餓死した。そして、穴だらけの日本のセーフティネットに、かろうじて引っかかった人々に、決して安堵の気持ちを抱いてはならない。昨年調査した福岡県O市の高齢女性は「…昔は食べられないことを団交で訴えた、しかし、今は生保で食べられているけど人間らしい生活ができない。人が死ぬと、悲しいよりも香典の心配がある。孫達に入学、進学と、一回もお祝いをしたことがない…新聞も読みたい。本も読みたい。そういう文化生活はできない」。戦前、戦後とストライキ・労働運動で闘い、O市では生保を広め、そして文学団体の同人としていくつかの小説も発表してきた女性をして、生保・老齢加算の打ち切りは、文学誌の購読をあきらめさせた。芙美子は、困窮ゆえに自暴自棄に走った女友達に「…あんなに、貧乏はけっして恥じゃないと言ってあるのに…」と涙している。貧困は恥ではないと実感させ、「おにぎり」も文学・文化も当たり前になる生活、「働き死」の根絶…、そうした21Cの日本、本当の民主主義の社会を創造しなければならない。

« 日本の派遣は世界水準の規制へ引き上げること | トップページ | 火山の噴火 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 穴だらけのセーフティネット:

« 日本の派遣は世界水準の規制へ引き上げること | トップページ | 火山の噴火 »