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日本の派遣は世界水準の規制へ引き上げること

脇田 滋(龍谷大教授)さんの争点として、日本では1985年、労働者派遣法で派遣労働が合法化された。しかし、均等待遇原則など労働者保護規定が極めて不十分であった。「正社員1人の人件費で派遣社員が3~4人雇える」と同一労働、差別待遇を公然と宣伝できる国は日本だけだ。2008年秋以降の「派遣切り」で、その雇用の不安定と個人の無権利がT.V.で明らかにされ、派遣法改正が09総選挙の一つになった。当時、民主、社民、国新の案では、①均等待遇②製造派遣禁止③登録型派遣禁止④派遣先責任大幅拡大など注目すべき内容であった。ところが新政府発足後、「労政審」の昨年末答申は①と④は削除、②と③は例外が大幅に導入してしまったのである。派遣労働で甘い利益を受けてきた派遣先(大企業)と派遣元(派遣業界)が強烈に巻き返したのである。また、「派遣切り」にストライキで対抗した大企業労組は0に等しい。しかも、「労政審」の労働者委員は、こうした労組の代表なので、派遣切りされた労働者の声は反映されない状態なのだ。フランスやドイツなどEU諸国でも派遣労働者は存在しているが、その法規制は日本とは全く異なっている。派遣と有期雇用を一体に規制して、正社員との「均等待遇原則」を徹底し、常用雇用を原則に利用事由や期間を厳格に限定する。雇用は不安定でも、均等待遇を確実に保障することで一定のバランスをとるのがEU諸国の雇用政策・雇用立法である。韓国でも1998年に日本をモデルに派遣法が制定されたが2006年改正で、有期雇用も含めて均等待遇と2年後の正社員転換を明記した。日本の現行法制は、労働者保護という点で世界最低・最悪である。政府提出の派遣法改正案は、派遣労働者の目線から程遠く、企業側の要望のみを反映して現状維持を狙っている。日本的派遣労働は撤廃するか、少なくとも抜本改正によって、世界水準の規制に近づけなければならぬ。

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