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2010年6月21日 (月)

医療や医薬品開発システムの疲弊

日本の製薬業界はがんじがらめの規制と硬直的な新薬審査体制のために国際競争力を失っている。日本では、治験過程での国際的な相互認証は遅々として、審査期間も長期化する。新薬開発というハイリスク・ハイリターンの事業のためにリスクマネーを提供する金融手段も意図も乏しい。結果、みんなが待ち望んでいる新薬が日本で提供される期間が欧米に比べて、数年程遅れてしまう。この「ドラッグ・ラグ」といわれる社会中枢システムの失敗のために、欧米の主要な製薬会社は開発拠点を相次いで日本では停止してしまい、欧米に集約する動きを見せる。医療の現場でも、社会中枢システムの失敗が目立つのだ。地方の病院を中心に深刻な医師不足が起き、心ある医師たちは疲弊しきっている。たらいまわしに遭う急患。その一方で相次ぐ安易な119番により、救急隊員たちは食事をとる時間も満足にない、昭和30年代から続く「救急車1台と救急隊員3名」という硬直的な救急業務の法令体系のために、救急態勢を弾力的にかつ柔軟に組み替え、傷病者の救命率を上げるという試みは所管官庁の厚い壁に跳ね返される。その壁を打ち破るべく、患者の重篤度に応じた搬送態勢の整備を目指した横浜市は、構造改革特区という「特例」としてだけか、その有意な試みを国から認められなかったのである。しかし、局所的かつ縦割りでしか対応できない当事者には、その失敗は治せない。それだからこそ、ものごとを社会中枢システムとして捉え、失敗の原因をシステムの要素分解として把握して、社会エンジニアリングとしてのソリューションを提案する試みがある。知のメルティングと言われるこの新しい研究科で、医療・製薬の分野を含めて新しい社会システムの解が提案され、現在の日本の覆っている社会の閉塞感を破る人々たちを望んでいるのだ。

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