緊急被曝の事態への対応 ②
(1)距離は放射性物質からできるだけ離れることであり、これは遠くへ避難すること。放射線の量は距離の二乗に逆比例するので、原子力発電所から1kmの地点での放射線量を1とすると10kmの地点では1/10*10=1/100となり、100分の1の被曝量となる。20kmの距離に避難すれば400分の1となる。(2)時間はそのまま加算されるので、同時点に1時間滞在よりも1日滞在すれば24倍の被曝量となる。(3)遮蔽は放射線の種類やエネルギーにとって異なるが、密度の高い建材で造られた室内に退避することにより、外部からの放射線をより多く遮蔽することができる。屋外にいるよりも木造建築の室内にいれば建造物が遮蔽体となりより少ない被曝線量となる。さらにコンクリート造りの室内では低減していく。さらに空気中に含まれている放射線物質から被曝量の低くするために皮膚を露出しない服装と帽子の着用、内部被曝を避けるたまマスクを着ける心掛けが必要だ。また、現場で考えることは放出された放射性物質は風によって運ばれるので、風上方向への避難が重要であるが時間的経過で風向きは異なるし、非現実的に海の方向へ逃げることはできないので、とにかく(1)距離と(2)時間の原則を考えて対応することとなる。また放射線防護剤(内容はヨード剤)の配布が緊急被曝医療の対応マニュアルに記載されているが、現実的にはヨードを含む昆布などの食品を食べながら避難することが現実的である。ヨウ素は甲状腺に取り込まれるが、事前にヨウ素を取って甲状腺のヨウ素量を飽和させることにより、放射性ヨウ素が環境中にあっても、甲状腺に取り込まれないようにする対応である。今後の対応として、放射線被曝者の対応であるが、まず正確な被曝線量を把握すること。被曝線量によって対応が大幅に異なる。また衣服の上から測定器で計測して被曝していると判定された人でも衣服に付着した放射性物質の汚染と人体の被曝線量は異なるものであり、衣服の汚染と人体被曝は区別する必要あり。また放射線の種類やエネルギーによっても人体に与える影響が違っているので、実際に人体の被曝線量の把握は非常に困難なものである。 | |||||||||||
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