2012/06/15 衆議院外務委員会の質疑 ①
2012/06/15には、衆議院外務委員会で社民党の服部良一議員が金子論文を示しながら、これまで細菌戦については史料がないので事実関係が分からないとしてきた日本政府は、金子論文についてどう考えるのかと質問し、政府の責任で731部隊関連の調査機関を設けるよう要求した。服部議員の質問内容:「……731部隊と日本軍による細菌戦の問題なんですけれども、2003年10月に、『外務省、防衛庁等の文書において、関東軍防疫給水部等が細菌戦を行ったことを示す資料は、現時点まで確認されていない。』としつつ、『新たな事実が判明する場合には、歴史の事実として厳粛に受け止めていきたい』こう政府答弁をされておるんですね。それで、今日、ちょっと資料をお配りいたしましたけれども、その新たな事実が国立国会図書館の関西館に所蔵されているということが2011年10月に日本の民間研究者によって発掘されました。731部隊所属の金子順一軍医少佐による論文集であります。この中で、昭和15年から17年(1940~42)まで、6回にわたる細菌作戦が実施された場所、効果等がまとめられているわけです。これは米軍が行った細菌戦に関する事実調査の結果とも符合する、既存の信頼できる資料等とも符合しているわけですけれども、大臣、この金子論文の新たな発見を踏まえて、日本政府として中国における細菌戦の事実の問題についてどういう見解をお持ちか、お聞きたいと思います」これに対し玄葉外務大臣は、「……いわゆる731部隊の活動の詳細についてはやはり政府内部に資料が見当たらないというのが今の実態でございます。今の質問は、この金子論文が新たな事実として出たのではないか、こういうお話なんだろうというふうに思いますけれども、今回、少なくとも、見つかった資料も含めて、歴史の学者の方々が今後どういう研究をし、その研究の深まりがどうなっていくのか、そういったことを踏まえながら、まさに先ほどおっしゃっていただいたように、新たな事実がこのことで判明するというのかどうか、そういったことを判断していきたいというふうに思っております」と答えている。
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