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2012年9月 5日 (水)

2012/07/14 中村 哲さんの報告 ④

東日本大震災の影響で、ペシャワール会(PMS)の予算は縮小を余儀なくされたが、2010年度からのJICA共同事業の河川工事が継続されたため、規模は発足以来最大となった。治安悪化は事業進行に殆ど影響しなかった。ダラエヌール診療所は変わらずに続けられ、ハンセン病患者の治療の場所を再建することが課題となる。灌漑事業は、マルワリード用水路の最終段階である保全態勢に着手すると共に、隣接地域の安定灌漑を目指し、取水堰及び、一連の取水システム(取水門・主幹水路・調節池・送排水門・関連護岸などの建設が次々と進められた。ガンぺリ沙漠開墾は、2011年5月の砂嵐と同年10月の鉄砲水、11月のクナール河渇水で一時中断せざるを得なくなったが、防砂林の植樹を活発化し、給排水路の整備が更に行われた。用水路は事実上シギ村落まで延長されることになり、2012年4月、洪水路横断工事が開始。長い対立が続いていたマルワリード対岸・カシコート地域は、2011年10月に和解が実現し、2012年2月、大洪水で破壊された主幹水路復旧と取水堰と一連の取水システム建設をめざして護岸工事が開始された。この結果、ジャララバード北部穀倉地帯(耕地1万6500ヘクタール、65万人)の復活と安定灌漑をめざす「緑の大地計画」は、ほぼ仕上げの段階に入った。




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