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2012年9月 6日 (木)

70年の沈黙を破ったドイツの精神科医たち ①

香山リカ(精神科医)さんの記述をコピー・ペー:ありとあらゆる職業の中でももっとも高い倫理が要求されるもの、それが医療だ。中でも医師は、倫理の象徴とも言うべき存在でなければならない。素朴にそう信じている人は、世間の中にも、そして医師たちの中にも少なくないだろう。しかし、倫理とは単に「目の前の患者に対して誠実に対応すること」や「私利私欲を打てて最善の治療を行うこと」といった現在の問題においてのみ、問われることではない。過去の過ちを認め----たとえそれがそのときは”倫理的”であると信じてそうしたにせよ----二度とそのような過ちを繰り返さないために何ができるかを考える、と過去や未来に対しても責任を負うこと、それこそが真に倫理的な態度と言えるのではないだろうか。だとしたら、医師とくに日本の医師ほど倫理とはほど遠い存在はない。同業の身としてそう口にするのはたいへん残念なのだが、そう言わざるをえないのが事実である。東日本大震災と原発事故、立て続けに起きる余震や節電でパニック状態にあった2011年夏、精神医学会に別の意味での衝撃が走った。それをもたらしたのは、『精神神経学雑誌』に載った解説と翻訳原稿であった。執筆者は、岩井一正氏であり、タイトルは、「70年の沈黙を破ってードイツ精神医学精神療法神経学会(DGPPN)の2010年総会における謝罪表明、(付)追悼式典におけるDGPPN フランク・シュナイダー会長の談話『ナチ時代の精神医学ー回想と責任』」となっていた。これは、その前年、2010年11月にドイツ・ベルリンで開かれたドイツ最大の精神医学会DGPPNの席上、シュナイダー氏が発表した声明を邦訳し、解説も付加している。ナチが政権を握っていた時代に、迫害を受けたのはユダヤ人だけでなく、身体障害者や知的障害者、精神障害者が「人類学な見地から」として強制的な断種(不妊手術)の対象となり、大戦突入した後にはガス室で「安楽死」という名の大量虐殺が施行されることになった。とくに精神障害者、知的障害者への「安楽死」はT4作戦と称され、入院中の患者たちはユダヤ人たちと同じ強制収容所ではなく、ドイツ国内6つの病院に付設されたガス室で命を奪われた。その数7万人、さらに食糧制限など他の手段で結果的には犠牲となった精神障害者は20万人とも27万人とも言われる。ジャーナリスト大熊一夫氏は2004年、1万人以上も殺害したガス室があったといわれるハダマール精神病院跡地を訪ね、当時のことを説明している。





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