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2012年9月13日 (木)

歴史を振り返ることの意味 ②

そして、私たちが現在進行形で直面しているもう一つの「医の倫理違反」、それは、福島原発事故をめぐってのものだ。医学者の中には、原子力村と呼ばれる政府、電力会社、研究者、マスコミが作る癒着のネットワークに組み込まれ、事故発生前さらには発生後に至っても、「原発は安全だ」「放射能による健康被害はほぼない」などといった発言を繰り返した。もちろん、エビデンスにまったく基づかないいたずらに危険をあおる発言も、それはそれである種のモラル違反と言えるかもしれない。ただ、明らかに特定の政策や企業の利益のために、一方的な主張だけを「医学的」だと称して繰り返すことの罪は重く、ここは「医学の世界も村的体質だから」などと言って引き下がらずに、ぜひとも医学者、医師が必要な批判、反論を発表し、徹底した議論を公開の場で行うべきではないか。「医の倫理」の基本は、言うまでもないが目の前の患者さん一人一人にやさしく、心を尽くすことだ。ただ、それを全うするためにも私たちはときに歴史を振り返り、社会を広く見わたさなければならぬ。そして、過ち、間違い、失敗を認め、謝罪し、そこからはじめて歩み出せる一歩もあるということを、もう一度、確認しておきたい。




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