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2015年6月11日 (木)

「総合診療専門医」 (4)

賛否両論ある会内の意見

 保団連の代議員会や会長・理事長会議、各保険医協会新聞等より「総合診療専門医」制度に関する代表的な意見を拾ってみる。「地方の医師不足は深刻だ。保団連は医師不足問題に総合診療医をはかれ。高齢化社会では、細分化された専門医ばかりではいくら医師がいても足りない」、「最近の若い医師は総合診療医を希望する人も多い。制度を確立して高齢社会に対応するのはいいではないか」などの肯定的な意見から、「かかりつけ医と同じではないか、なぜ専門医と称する必要があるのか」、「医療費抑制策のためにゲートキーパーの役割が担わされるのではないか」、「先々イギリスのような登録医制度につながるのではないか」、「自由開業医制度が阻害されるのではないか」など否定的な意見などさまざまである。

 問題を捉える上で大事なことは、現在の医療提供体制改革の大本の「社会保障・税一体改革」路線をつかむことである。

「社会保障・税一体改革路線」から見た総合診療専門医制度

 現在のわが国の医療改革は、2012年2月の野田民主党政権時代閣議決定された「社会保障・税一体改革大綱」(以下、「一体改革路線」)を起点としている。もちろんそれまでの自公政権時代の政策も色濃く反映され、またその後も三党合意として法案化されているので、自公民三党の合作と言ってもよい。

 この路線の政財界の狙いは、2025年の超高齢社会に向かって、いかに医療・社会保障費を抑制するか、そしていかに同分野の営利産業化を推し進めるか、そしていかに消費税を引き上げ法人税減税を下げるかというところにある。そして医療分野はその路線に従って概略3つのルートで、進められている。1つが診療報酬ルートで、2012年4月の改定が「一体改革路線」の第一歩、2014年4月の改定が第2歩と言われている。もうひとつが、法律関係のルートで社会保障制度改革推進法、同国民会議報告書、同プログラム法、医療介護総合確保法と続くルートである。そして3つ目が、経済財政諮問会議や規制改革会議、産業競争力会議等のルートである。今回の総合診療専門医制度を読み解く上で、この3つのルートの関係するところを拾って見る。

 2014年診療報酬改定の特徴は、「川上から川下へ」の強引な誘導と、その受け皿としての地域包括ケアの構築を目指すものであった。そして、その「川下」を支えるものとして「主治医機能の計画」が打ち出され、「地域包括診療料・同加算」が新設された。主な要件として、認知症や糖尿病など4つの慢性疾患を対象とした管理、担当医(要研修)、服薬管理(原則、院内処方)、健康管理、介護保険に関与し、24時間対応などが挙げられている。地域包括ケアの核として期待される総合診療専門医の先取りの制度として見てとれる。               (続く)






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