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2016年6月21日 (火)

Report 2016 医療の効率

随分長く「熊本地震」の内容だったが、ここで、一度方針を変えてみる。広多勤(横浜ヘルスリサーチ代表)さんの文をコピー・ペー:
 厚労省は、2016/03/24、開催された政府の「経済財政諮問会議」に「経済の成長・消費の拡大に向けた厚労分野の取組」についての資料を提出。労働生産性の向上へ向けた諸施策を説明するとともに、1項目を割いて「医療、介護分野ににおける生産性向上の取組」を示した。
 医療分野では、標準化、共通ICTインフラを整備して、民間の投資を喚起、医療の質と効率性を向上させ、健康で安心して暮らせる社会を実現することを基本的な方向性として、示した。具体的には医療情報の共通インフラやプラットフォームを整備するとともに、電子カルテ・データの標準化や全国規模のネットワークの整備を進め、産官学が一体となった研究開発や新規サービスの創出の促進などに取り組むとした。
 介護分野では、基本的な方向性は、業務負担軽減・生産性向上によって魅力ある職場づくりをし、質が高く効率的な介護サービスの充実を図ることとして、具体的には、ICTを活用したペーパーレス化を推進して文書量の半減を図ること、介護に関連した、人手不足や介護現場での身体的負担の解消のため、介護ロボットを戦略的に開発・普及させること、介護に関連した情報を地域ごとに一元的に分かる見える化システムの構築などに取り組むとしている。
 これから日本では、高齢化が一段と進んで医療・介護費用が増々かさんでくることは必至である。医療・介護分野でもムリ、ムダ、ムラを排除して「生産性」を上げ、効率化して、いく必要があるということだろう。
 一方、ICTを駆使した”効率の良い”医療は、患者にとって必ずしもいつも最善の結果をもたらすとは限らないという指摘もある。
 米国カリフォルニア州のラグナ・ホンダ病院のビクトリア・スウィート氏は、長年研究してきたヨーロッパの古典医学を応用して、時間をかけて患者とじっくり向き合う診療行ってきた。しかし、サンフランシスコ市が管理する同病院にも、米国医療界の効率化の大波が押し寄せ、病院は最新設備を備えた新病院に建て替えられ、最短の入院期間で退院できる効率的な医療が求められるようになった。その結果、退院はしたものの、在宅では十分に療養できずに、急性期病院に救急入院して、結局、同病院の元の病棟に以前より悪い状態になって戻ってくる例が後を絶たない。
 スウィート氏が目指す医療は、精密な診断と患者をよく観察することで投薬量を最小限に減らし、「時間という薬と小さなお世話」だけを適用する。”ムダ”な時間と手間をかけるので多少入院期間が延びるものの、退院時には自立して再入院は起きないので、結果的には、効率がよいのだという。このような医療のアプローチは「スローメディスン」とも呼ばれる。同氏は、スローメディスンの医学的な効果と経済的な効率について先進的医療との比較対照試験を行って、その優位性を示そうとプランニングしている。
 スウィート氏は、同病院での足かけ20年間に及ぶ経験や事例を著書「神様のホテル」(日本語訳版、毎日新聞社刊)でつぶさに紹介し、効率を求めて速さばかりを競う米国の医療界に一石を投じた。同署は2012年カルフォルニア州ノンフィクション大賞を受賞。「スローメディスン」は、高齢者医療でも威力が期待されるところがある。医療の効率が議論される昨今、改めて注目すべきキーワードになるだろう。





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