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2016年10月 9日 (日)

Science アウトカム志向のクリにカルパスが医療の質を向上へ ⑤

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そのためには連携パスもアウトカム志向であることと、連続的に見直しが図られることが必要である。
 連携パスの作成の基本は院内パスと同じであり、当該疾患に関係する医療職種(医療機関)間で協同して患者アウトカムを内包する一貫した治療方針を作り上げていくことになる。地域医療連携の形態は疾患や患者状態により、①一方向型、②循環型、③在宅支援型の3つに大別、地域連携パスもその形態に応じて運用されることになる。
 ①一方向型連携パスでは、連携医療機関が治療・管理を分担してリレーしていくことで患者にシームレスな医療を提供可能となる。大腿骨頸部骨折や脳卒中等が対象、患者状態は、急性期⇒回復期⇒維持期と進むのが一般的である。ADL獲得・維持などが主な患者アウトカムで、連携施設の転院・退院基準を中間アウトカムとして位置付けると分かりやすい。
 ②循環型連携パスでは、連携医療機関の間を定期的に循環して診療を継続。がん、虚血性心疾患、慢性呼吸器疾患、慢性腎臓病などが対象で、患者状態は、急性期治療後は安定(良好な管理状態)しているのが一般的。長期にわたる診療・通院プランの遵守や慢性疾患管理が主な患者アウトカム。
 ③在宅支援型連携パスは、在宅患者の維持期に力点を置いたもので、在宅患者を複数の診療所や訪問看護ステーションなどが共同管理し、中核病院はこれを把握し、急変時等に対応出来る状態。在宅患者の後遺症管理、栄養管理、終末期管理等が対象。QOLの向上が主な患者アウトカムなのだ。
 新たな医療計画(2013年)では、精神疾患と在宅医療に関して医療連携体制の充実と強化が図られることとなり、認知症やうつ病等の連携パスも構築され始めた。本医療計画では、歯科医療機関(病院歯科、歯科診療所)の役割として、「歯科口腔保健は、患者の生活の質を維持していく上で基礎的かつ重要な役割を果たすものであり、5疾患・5事業及び在宅医療のそれぞれの医療連携体制の中で、口腔とその機能の状態及び歯科疾患の特性に応じた、適切かつ効果的な歯科口腔保健の推進が求められている。在宅で療養する患者を対象とした在宅歯科診療の提供等、都道府県は、医療連携体制の構築に当たって、歯科診療が果たす役割を医療プランに明示して、患者や住民に対し、分かりやすい情報提供の推進を図る。」と明示された。また診療報酬においても「周術期口腔機能管理料}の算定が認められ、口腔管理の重要性は広く認識されるようになってきた。これらのことより、がん患者や脳卒中の連携パス、在宅支援型連携パスでは、患者の口腔管理の視点から「かかりつけ歯科医}の連携が強く望まれている。
 さらに厚労省は、2025年を目途に高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域包括的支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進している。これは地域における医療・介護を一体的に提供できる体制の構築を意味しており、連携パスは地域包括ケアを推進するうえでも有用なツールとなり得ると考える。




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