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2016年12月26日 (月)

成育医療と小児歯科 ③

続き:
◎成育医療の流れと小児歯科
 「成育基本法(案)」に、歯科からの働きかけで「歯科医師」の文言が記載されることになり、制度が待たれるところである。「成育医療」という考え方が広まったのは1997年の「国立成育医療センター基本構想」から、少子社会における生命の再生と環境を目指して、胎児の段階から小児・思春期を経て、次の世代を産み育てる成人期までのライフスパイラルに沿った医療体系である。
 小児歯科においても、ライフステージの小児期の歯科医療というところから、思春期から 
成人となり妊娠・出産により次世代へつなげるという成育の流れの中で、小児の特性や生活を考慮した歯科医療へと発展する必要がある。
◎歯科ではまだ遅れている思春期、妊娠期への対応
 とはいえ、今までの歯科臨床では、「思春期」「妊娠期」はあまり顧みられなかった領域だ。思春期は、発育の分類では小児期に含まれるが、実際は永久歯列が完成した中学生以上が小児歯科に初診来院することは稀だ。また、医科の「産婦人科」のような女性に特化した部門がない歯科では、妊産婦の特性や口腔保健に関する教育や対応する臨床が殆ど無いのが現状。思春期では学校歯科保健と連携して、妊娠期では産科の医師や助産師と連携して、歯科医療(特に口腔保健)の充実を図る必要がある。
 昭和大学の小児歯科では、附属医科病院の産科の受診者を対象に「マタニティ歯科(妊婦歯科学級・歯科健診と赤ちゃん歯科学級)」を実施し、妊婦と母子の口腔の健康支援を行っている。成育医療の視点からも、妊産婦歯科健康診査のさらなる普及・推進が図られることを願ったいる。
◎全国養護教諭研究大会に参加して
 2016年8月に平成28年度全国養護教諭研究大会が開かれ、課題別研究協議会の「歯・口の健康づくり」の講師として参加。小学校、中学校、特別支援学校の養護教諭から各々の自校の取り組みと成果の発表があり、児童生徒のう蝕は確実に少なくなっていて、歯磨への関心を高めるために歯周炎にフォーカスした取り組みが行われていたり、子ども発信の歯科保健活動の実践が効果的なことなどが示された。そして「学校歯科医をはじめとした専門職との連携により在学中に口腔管理の大切さを学ぶことが、学齢期を過ぎても定期的な歯科受診による口腔の健康維持につながるのでは」というまとめをいただいた。
◎まとめに代えて
 小児期に獲得された基本的な生活習慣は高齢期までつながり、口腔機能の維持を通して健康長寿にこうけんするもの。小児期の咀嚼習慣の獲得から高齢期の窒息・低栄養の防止まで「食育」は徐々に歯科に浸透してきているが、「成育医療」も小児歯科ばかりで実践するものではなく、かかりつけ歯科医機能の一環としてこれからの歯科全体で担って行くべきものと著者(井上)は考える。
        http://masa71.com/    更新しましたので宜しく。





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