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2016年12月21日 (水)

副作用の少ない抗がん剤を研究する前田浩さん

鹿本成人(熊日)さんのレポート:コピー・ペーする。
 従来の抗がん剤は、激しい吐き気や毛髪の抜け落ちなどと強い副作用が伴う。抗がん剤の多くは、がん細胞だけでなく正常な細胞にも届いて攻撃してしまうためだ。
 「ならば、かん患部だけに届く薬を作ればいい」。そう考えたのが崇城大DDS研究所特任教授の前田浩(77)さん。がんを狙い撃ちする「ミサイル」のような治療薬だ。特定の臓器や組織に薬剤を集中させる仕組みは、DDS(ドラッグデリバリーシステム)と呼ぶ、副作用が少ないのが特徴という。
 がんに集まる治療薬のヒントを得たのは、前田さんが熊本大医学部で研究に取り組んでいた頃のこと。世界初のタンパク質系抗がん剤として知られる「ネオカルチノスタチン」の効果を調べる中での出来事だった。
 「ネオカルチノスタチンを筋肉などに皮下注射したときと、静脈注射をしたときで、体内の分布がが異なることに気付いた」。研究を進めると、タンパク質のように大きな分子(高分子)は、がん患部やリンパ節に集まることが判明。がんの内部の血管に大きな隙間があり、隙間から高分子が漏れ出す「EPR効果」の発見だった。
 リンパ系は、いわば体内の”下水道”。血液で全身に運ばれた様々な物質は、臓器や筋肉で使われた後、リンパ系を流れる液体に乗って回収される。がんの転移もリンパ系に沿って起きることが多い。「下水道を利用した治療薬を作れば、転移を制することができると考えた」
 他分野の研究から「油性の物質はリンパ節に集まり易い」といったヒントも得た。そんな時に、米学会誌に載った「水にも油にも溶ける、車や床のワックス基材」の広告が目についた。
 「大きな分子で親和性があれば、がんやリンパ節に集まる。それならば、ネオカルチノスタチンをワックス基材にくっつけてみたら如何かと、試してみた」。そうしてできたのが、肝臓がん治療薬として実用化した「スマンクス」だ。




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