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2016年12月19日 (月)

Science DNA分析による身元特定と犯罪捜査 ⑥

続き:
(3) 異父兄弟鑑定
  ① 概要
      身元不明の男性(歯)とその弟の兄弟鑑定
  ② 鑑定
   ◍  検査システム:STR、YSTR、mtDNA
   ◍  兄弟らしさ:STRの尤度比14、YSTR不一致、mtDNAの尤度比300、総合尤度比
          4200(確率99.98%)
   ◍  鑑定のポイント
      常染色体DNA分析で尤度比が上がらず困惑するが、YSTRの結果で父親が違う
     ことが分かり納得する場合をしばしば経験している。mtDNAが一致したことから、
     同一の母親から生まれた父親の違う兄弟として鑑定したところ、STRとmtDNAの
     尤度比から総合尤度比4200、確率99.98%となり、異父兄弟関係を肯定できる値
     が得られた。
(4) 遠い親戚の鑑定
  ① 概要
      身元不明の女性(歯)とその姉の長男(叔母・甥)
  ② 鑑定
    ◍  検査システム:STR、mtDNA
    ◍  兄弟らしさ:STRの尤度比152、mtDNAの尤度比407、総合尤度比61864(確率
      99.998%)
  ③  鑑定のポイント
     親兄弟姉妹子供との鑑定が理想であるが、それらより遠い関係になると尤度比
     を上げることが困難である。叔母・甥関係ではmtDNAが有効で、一致したことか
     らSTRとmtDNAの尤度比から総合尤度比61864、確率99.998%となり、叔母・甥
     関係を肯定できる値。
   法医DNA鑑定で必要な知識(鑑定資料の採取・保管・提出・分析)
   ♦1. 採取
     ◍ 資料表面に付着している表皮細胞や血液・体液・唾液等は専用スティックで
       可及的に拭き取る。
     ◍ ペットボトルや缶飲料はキャップの内面や口をつける部位から採取。
     ◍ 歯・爪は原則的に解剖時に採取する。死後経過時間、死後変化が顕著な
       場合、歯⇒骨⇒爪の順序で良いDNAが得られる。
   ♦2. 保管
       冷暗所に保管、常温保管で乾燥させる(DNA分解酵素の不活性化)
   ♦3. 提出
       可及的に早く検査機関に提出する。早いほど検出できるローカスが増える。
      毛髪は時間経過によってDNAの状態が大きく変化する。新しければ毛根が
      認められなくても、STRが可能な場合がある。  





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