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2017年1月30日 (月)

安倍政治の「嘘」をファクトチェックする ③

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 相前後して、安倍首相はロシアのプーチン大統領との盟友関係を誇示しながら日ロ首脳会談に臨んだ。しかし、ロシア側からは北方領土の「共同経済活動」を持ち出され、領土問題に暗雲が立ち込め始めた。すると、安倍氏は「(条約締結が)70年間できなかった。……解決に向けて道筋が見えては来ているが、一歩一歩、山を越えていく必要がある」と、またもや「道半ば」を強調した。しかし、ロシアは北方領土に地対艦ミサイルシステムの配備完了し、年内に発射実験を予告した。お友達外交に陰りが出始めたのだ。
 「道半ば」の連想をもう一つ。中国の上海師範大学構内に中国人と朝鮮人の慰安婦像が建てられた。2015年暮れの日韓外相会談で、10億円を基金として慰安婦問題の「不可逆的な」決着を目指した。だが、日本側の高飛車な物言いと、朴政権の弱腰に韓国世論の反発があって、ソウルの日本人大使館前の少女像撤去問題は宙に浮いた。そこに、中国の二人の少女像が加わり、この問題の「行き止まり」感を倍増させた。
 日本人は「道半ば」論の危なさを先の大戦で十分経験済みのはずだ。敗退を転戦と言い換え、絶対国防圏が突破されても徹底抗戦を叫び、主要都市が丸焼けになっても、沖縄で凄惨な地上戦争があっても、広島・長崎に原爆が投下されても、「一勝和平」の屁理屈で戦争をやめなかった。「道半ば」は要するに「問題の先送り」、つまり「行き止まり」と同じ意味なのだ。「行き止まり」とは、そこから立ち戻るべきターニングポイントのことだが、安倍首相に、原点に立ち返って考える歴史認識を期待することはできない。
 評論家加藤周一は、つじつま会った「嘘」をつくには「それなりの知的努力が必要だが、自らの嘘を信じてしまえば、そのデマが省ける」と書いた。その基準に照らせば、安倍政権が危ういのは自らの「嘘」を真実と信じこみ、「嘘」に欠かせない知的努力を怠ることだ。次に危ういのは、「嘘」が発覚してもそれを認めず逃げ口上にすがることだ。さらに危ういのは、メディアがそのことに無頓着なことだ。ジャーナリストの仕事は、安倍政権が「道半ば」と言った時には、そこに隠された「嘘」を疑ってみることだ。





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