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2017年1月13日 (金)

Topics これからの日本―社会保障制度を考える私見 ③

続き:
3. 財政検証スキーム
 現在の「財政検証」のスキームは、2004年に確立された。以前は、法律上支給する給付が定義され、それに必要な保険料について、将来見通しを作成した上で算出する作業(財政再計算)を行っていた。しかし、改正毎に、少子高齢化の見通しが厳しくなり、将来必要な保険料が高くなることに対して、経済界は、負担上限が見えないことに不安・不満を示した。そこで、2004年改定では、先に保険料率を決め、その範囲内で給付が出来るかどうかを確認する作業(財政検証)を行うようになった。そして、保険料率の上限に就いては、厚生年金は、当時の13.58%(労使折半)を18.3%(年当たり0.354%ポイントずつ引き上げて、2017年度以降一定)とした。
 また、年間給付費に対して3~4倍保有していた年金積立金については、概ね100年間にわたって財政が均衡するよう計算した上で、100年後には給付費の1倍程度(支払準備金的な水準)になるように設定した。また、従来は基礎年金の1/3だった税財源の割合を1/2に引き上げることにした。なお、そのための財源は消費税引上げ(2014年4月、5%→8%)による分を充当している。
 保険料、積立金、税財源の3つの要素を固定することで、年金財政全体の収入が決まり、その枠内で給付を分け合う仕組みとなる。この分け合い方については、「マクロ経済スライド」という年金改定率の方法を用いて調整していく。これは、賃金や物価の伸びる中で、その伸び率の一部を「スライド調整率」として控除するもので、公的年金の給付水準を表現する指標として「所得代替率」(現役世代の平均的な給与水準に対する割合)があり、現在60%台になっている。これをマクロ経済スライドによって50%程度にまで調整していくという方針になっている。この調整を行うことで給付と負担のバランスの確保が出来る。




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