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2017年2月10日 (金)

熊本地震に歯科医師会はどう動いたか ③

続き:
日本歯科医師会から――― 日本歯科医師会 副会長 柳川忠廣
 災害時における歯科の役割として、先ずは外傷による顎骨骨折や歯牙破損に対する緊急歯科医療や歯科領域の感染症対策、更に歯科所見による身元不明遺体の個人識別作業等が挙げられるが、災害の規模や形態により、その重要と優先度はさまざまである。例えば、東日本大震災においては身元確認作業が先行したが、平成28年(2016年)熊本地震においては、初動段階から避難者に対する歯科保健活動を優先した。
 一方、日本歯科医師会では、発災の翌日である4月15日に災害対策本部を設置し、同日、熊本県歯科医師会災害対策本部とWeb会議を実施した。また、被災県コーディネーターである熊本県歯科医師会の牛島隆常任理事、支援幹事県コーディネーターである九地連の大山茂専務理事らと、telおよびメーリングリストで情報共有に努め、歯科医療従事者の派遣や日本歯科商工協会等との連携による物資支援について、毎日連絡調整を行った。他にも厚労省、日本医師会等と連絡体制も整備した。
 熊本県歯科医師会と九地連にコーディネーターを明確に設置できたことが功を奏した以外にも、特徴的な実績として、①予てより求められてきたJMAT(日本医師会の災害医療チーム)への歯科医師・歯科衛生士の参画が、4県18チームで実現したこと、②日歯災害コーディネーターを5回にわたり現地派遣し、歯科ニーズの把握、関係職種間の連携構築などを図ったこと、③集計分析中であるが、避難所などにおける歯科口腔保健に関して日歯の標準アセスメント票を活用、④災害対策で著しく多忙になった熊本県歯科医師会事務局の支援、会員診療所の災害復旧などに関わる事務手続きのサポート役として、東日本大震災の経験がある県歯の事務職を派遣したこと、などが挙げられる。これらの他にも、社会保険や公的助成などに関わるさまざまな情報提供を、被災者会員を対象とした特別措置、見舞金や義援金の送金などを実施した。
 歯科による災害支援活動は、分っている範囲で、阪神・淡路大震災より2年前の北海道南西沖地震から行われてきた。規模や形態に拘わらず、災害は人々の生活、身体や心の健康をも侵食する。最近では、平成26年(2014年)広島土砂災害、御岳山噴火、翌年の関東・東北豪雨、そして平成28年(2016年)熊本地震、台風10号、鳥取県中部地震、糸魚川市大火災と忘れる暇もないほどに災害が立て続きに各地で起きている。これまでの歯科支援活動の経験が全国に広まり、根付いて行くことを期待してやまない。
 




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