« 熊本地震に歯科医師会はどう動いたか ① | トップページ | 熊本地震に歯科医師会はどう動いたか ③ »

2017年2月 9日 (木)

熊本地震に歯科医師会はどう動いたか ②

続き:
現地コーディネーターの立場から(南阿蘇地区)――― 熊本県歯科医師会 常任理事 田上大輔
 南阿蘇地区(南阿蘇村・高森町)での歯科支援活動は阿蘇地方災害対策本部の下に設置された南阿蘇村・高森医療救護対策本部の中で、福岡県、大分県、宮崎県の各歯科医師会・歯科衛生士会、福岡歯科大学、九州大学、九州歯科大学さらには宮崎県JRAT(大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会)から構成された九州地区連合歯科医師会の支援チームが中心となって行われた。外部派遣は1週間交代で合計4班が4月23日から5月22日までの1ヵ月間で、その後は地元資源により支援活動が継続された。
 支援活動中の現地コーディネーターの役割は、県歯コーディネーターと緊密な連絡をとりながら、地元歯科医師の意向を代弁しつつ支援チームに最大限の能力を発揮してもらえるようサポートすることである。つまり、発災から歯科支援チーム受入までは「歯科支援チームが他の支援チームと連携して活動するための環境整備」と「地元歯科医師が受け入れ可能な支援活動の形を地元で協議・決定する」こと、それ以後は「支援チームの活動を円滑にするための地元歯科医師や保健婦、介護施設等との調整」と「地元歯科医師が望む支援活動のゴールと継続的歯科支援活動の姿の明確化」であった。
 支援チームの活動を開始するに当たり、地元歯科医師の最大任務は「自院の歯科診療機能を発災前の状態に復旧させ一刻も早く通常診療を行うこと」と定義し、支援チームと地元歯科医師の共通認識とした上で「南阿蘇村歯科支援活動の基本方針」を策定した。また、活動目標を「誤嚥性肺炎による災害関連死ゼロ」に設定、被災者支援と地元歯科診療所支援の2つの視点で次のような歯科支援活動が実施された。
1. 支援チームが災害地区に駐留しての歯科支援活動
  1) 被災者支援
   ◍ 環境整備・口腔内リスク等の歯科医師・歯科衛生士側の把握
   ◍ アセスメント票に基づく被災者支援活動
          アセスメントに基づくトリアージ結果
     歯科口腔ニーズアセスメント927件、摂食嚥下評価69件を実施し、その結果をSA
          (最重要)、A(重要)、B(注意)、C(観察)にトリアージした。
     アセスメント結果に基づき、ポスター掲示をした。
     歯科関連物資の補充93件、歯科治療46件、歯科相談14件、口腔のケア252件、
     保健指導253件、嚥下リハビリ12件、摂食指導25件を行った。
   2) 地元歯科診療所支援
    ◍ 地元歯科診療所の歯科診療機能を復旧させるための支援
    ◍ 地元歯科診療所が継続的支援活動をスムーズに行えるようにするための支援
2. 口腔機能支援チームが被災地区を撤退した後の歯科支援活動
 支援チームの活動は地元歯科医師・歯科衛生士、日本赤十字社やJMAT、JRATやDPAT(災害派遣精神医療チーム)、保健婦や栄養士等との多様な職種連携を構築しつつ展開された。これにより歯科支援チームは、種々の生活機能低下・障害が多重的に発生する災害時において、”口腔に関する生活機能支援活動”を一手に引き受ける専門集団として、他の支援チームから絶大なる信頼を得ることとなった。





« 熊本地震に歯科医師会はどう動いたか ① | トップページ | 熊本地震に歯科医師会はどう動いたか ③ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 熊本地震に歯科医師会はどう動いたか ②:

« 熊本地震に歯科医師会はどう動いたか ① | トップページ | 熊本地震に歯科医師会はどう動いたか ③ »