« 絶対貧困と相対貧困 ③ | トップページ | 「アメリカ第一」の裏側 »

2017年2月21日 (火)

無内容な就任演説

西谷修(立教大特任教授)さんは述べている―コピー・ペー:
 トランプ新大統領の就任演説は、世界の主導国アメリカの大統領としては例外的に無内容で、「ISの根絶」という以外、世界を方向づける理念や外交方針にはほとんど触れず、選挙アピールそのままに「アメリカ第一(まずアメリカ)」を訴えただけだった。
 要点を挙げれば、まず、自分がアメリカの新しい代表で、その自分が「ワシントンの政治家たちから国民の手に国を取り戻した」ということ、これを新大統領はブッシュ、オバマ両前任者を傍らにおいて語った。もちろん、これはすでに聞いたことのあるセリフだ。ただ、アメリカ人の彼はついでに「国は国民に奉仕するために存在するという信念」を強調した。この点はどこかの国の政権党の憲法草案とは真っ向から対立する。
 そして「今日この日からアメリカ第一」それのみで、「保護主義こそが偉大な繁栄と力につながる」と宣言、あとは身も蓋もない方法をふたことで示している。「アメリカ製を買い、アメリカ人を雇うこと」、そしてこれによる繁栄を世界に「模範として輝かせたい」と言う。
 この短い演説の「主張」を支えているのは、粗雑な「被害感情」である。アメリカ人はいま不当な扱いを受けている。一方ではワシントンの政治家たちによって、他方では不正な競争で儲ける諸外国や企業によって。だから自分が大統領になって「強いアメリカを取り戻す」という理由だ。
 われわれはこれをもう何年も前に聞いたことがある。そう、「日本を取り戻す」というキャッチフレーズだ。この合言葉のもと、東日本大震災と福島第一原発事故後の混乱の責任をすべて当時の民主党政権のせいにして、安倍自民党は政権を「取り戻し」たばかりか、そもそも政権交代を生じさせるほどに社会を疲弊させた自民党の旧悪に頬かむりして、「強い日本を取り戻す」という時代錯誤を押しつけるのに成功した。




« 絶対貧困と相対貧困 ③ | トップページ | 「アメリカ第一」の裏側 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 無内容な就任演説:

« 絶対貧困と相対貧困 ③ | トップページ | 「アメリカ第一」の裏側 »