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2017年3月 2日 (木)

ヨーロッパの妄執

続き 西谷修さんの引用― コピー・ペー:
 ヨーロッパではトランプの当選を受けて、「自由第一」「移民排斥」と同様の主張をもつフランス国民戦線のルペンや、オランダ自由党のウィルダース、イタリア北部同盟のサルヴィーニ、ドイツのための選択肢のペトリなどが会合し、気勢を上げている。当地では「極右」と呼ばれる勢力だ。今年5月の大統領選挙出馬を目指すフランスのルペンは、トランプが「行き過ぎたグローバル化」や「大規模な移民流入の原因である軍事介入」に反対していることを称賛したと伝えられる。それがルペンの主張のすべてであるならば、多くの賛同をえられないわけではない。
 「自由第一」という主張が国際関係の構築に役立つのかどうかという疑問はある。過って日独伊三国同盟があったように、国内に統制体制を敷く国同士が相互に協力するということはありうる。だが、共通の主張をもつ現在のヨーロッパ極右勢力の背後にあるのは、ヨーロッパの歴史的な排他的繁栄を維持するという共通の願望だろう。それが各国での移民の排除や差別の風潮を支えているのだ。難民が押し寄せるのはただ単に軍事介入だけではない。軍事介入する側の社会と、される側の社会とを一目みれば、その差の甚だしさに愕然とせざるをえない。確かに、ニューヨークのツインタワーは崩壊した。しかし、最先端の遺伝子工学であらゆる病気の駆逐が目指され、「ポスト・ヒューマン」の時代さえ語られるこの社会から、テレコマンドで操作されるドローンの爆撃を受けるのは、埃っぽい粗末な家々と粗衣で昔ながらの暮らしをする「遅れた」「貧しい」人びとの住む地域だ。この、それ自体「暴力的」と言ってもよい落差が、グローバル化した世界で人口移動の奔流を引き起こさないよう障壁を設けること、突き詰めていえば求められているのはそいうことだ。それは分離壁の構築や力による排斥を不可避にするだろう。だとすれば、「テロとの戦争」を続ける他ないが、それはこの5世紀間に作りあげられた西洋による世界統治の構造と、そこで作り上げられた西洋人の既得権を維持し続けようとする保身的願望への固執でしかない。
 この世界の混迷に出口はあるのか。もはや技術的にも経済的にも原発が立ち行かないように(あとはフェイクで糊塗して騙すだけ)、現在のグローバル化した経済システム(「成長」神話)も、限られている。「儲けの経済」を「共生のための経済」に徐々に組み直してゆくことが必要である。それが基本的な諸問題の解決法を示すことになるだろう。そのための道筋はすでに示されている(宇沢弘文・内橋克人『始まっている未来』)。
        http://masa71.com/     更新しましたので宜しく。



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