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2017年3月 5日 (日)

Science 歯磨剤の科学とフッ化物のメカニズム ③

4)粘度調整剤

 歯磨剤の主原料である研磨剤(粉体)と液体成分(水、湿潤剤など)が分離しないよう配合され、歯磨剤に保型性と適度の粘性を付与する。主としては、カルボキシメチルセルロース(ナトリウム塩)、アルギン酸ナトリウム、カラキナン、キサンタンガム等。―いずれの天然物由来である。これらの物質に共通する化学的特徴は、カルボキシル基(-COO、-COOH)や水酸基(OH)を複数保存する水溶性高分子という点である。この特徴のため歯磨剤の水成分に容易に溶け、水や湿潤剤あるいは研磨剤表面と水素結合を形成して、研磨剤と液体成分が分離しなくなる(図1略)。その特徴により歯磨剤のペーストとしての保型性が可能となる。これらの粘結剤には、酸またはアルカリあるいは高い塩濃度でもその粘結生を発揮するものがあり、歯磨剤の商品特徴に合わせて使い分けられる。最近見かける研磨剤無配合のジェル状態の歯磨剤では、この粘結性が重要な働きをしている。

5)香味剤・清涼剤

 歯磨剤の原料の中には、不快な味を呈するものがある。これでは積極的に歯磨習慣の障害となる。その矯味剤としてサッカリンやメントール、ミント類等の香味が配合され、歯磨後の清涼感が残るように配慮してある。香味剤・清涼剤には水溶性と油溶性がある。油溶性の香料は界面活性剤の作用で歯磨剤に均一に分散する。子供用歯磨剤には、くだものの味や風味を付与して子供が歯磨に馴染むようにしてある。

 一見、歯磨剤の薬理的効能とは無関係に考えられるかも知れないが、香味剤・清涼剤は嗜好性を高めることで歯磨習慣の定着を図ることができ、非常に重要な成分だ。

6)保存料

 歯磨剤は衛生管理と原料チェックの徹底した工場で製造されるが、歯磨剤の原料に細菌が全く存在しないというものではない。ごく微量ながら存在するが、健康に何ら問題のないレベルだ。しかしながら歯磨剤が製造され、店頭に置かれて消費者に購入されるまで、あるいは歯磨剤を開封して使い切るまでの間に細菌が増殖するする可能性はゼロではない。そのためパラベン類や安息香酸など抗菌・静菌作用のある成分が配合される。




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