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2017年3月 3日 (金)

Science 歯磨剤の科学とフッ化物のメカニズム ①

中嶋省志(歯学博士)さんの記述―コピー・ペー:

はじめに

 現在、量販店で売られているほとんどの歯磨剤は研磨剤(清掃剤)を含む。その基本能は、プラークとステインの物理的除去である。この機能は歯ブラシの使用とあいまって研磨剤が担う。もし歯ブラシだけで歯磨を続けたり、無研磨剤歯磨剤を使用し続けると、数週間以内で歯面が褐色を呈してくる。しかし研磨剤を含む歯磨剤と一緒に歯磨を続けると、一旦付着したステインも除去できる。これらについて公開された研究論文は見当たらず、筆者(中嶋)が企業在職中に歯磨剤の研究を行っているときに経験した事実である。

 一方、研磨剤が歯を削るのではないかという懸念が前々から存在する。おそらくこれは、歯磨剤が日本で初めて発売された頃の商品に粒子の粗い研磨剤が使用されたことによると思われる。現在では、RDA法(Radioactive Dentin Abrasion)という国際規格によってそのような研磨剤は使用されていない。

 歯磨剤はさまざまな成分を配合してつくられる(表1略:後で)。それらの成分は基本成分と薬用成分に分類される。基本成分は、歯磨剤に求められる物理的・化学的特性を満たすために配合される(後述の第1章)。薬用成分は、その化学的・生物学的作用によって、う蝕や歯周病の予防や口臭・ステイン付着・歯石形成の防止のために配合される(表2略:後で)。基本成分だけでつくられている歯磨剤を薬事法上、化粧品歯磨剤という。一方、薬用成分が含まれている場合は、医薬部外品に分類され薬事法に基づきその薬用成分の作用メカニズムに則って、う蝕予防や歯周病予防などの薬理的効能を訴求することができる。化粧品歯磨剤では、その機能表現しか許されない。なお医薬部外品歯磨剤を薬用歯磨剤と呼ぶこともある。本稿では、歯磨剤の材料(原料)とその役割、およびフッ化物配合(以下F歯磨剤)によるう蝕予防・再石灰化促進メカニズムについて解説しよう。

 なお本稿は、「歯磨剤のはなし」(東京医科歯科大学大学院う蝕制御学分野のホームページに掲載)を改変・編集したものである。より詳しくはそれを参照してください。

 (http://www.tmdu.net/publications/dissertations/)。

 



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