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2017年5月27日 (土)

電通事件 ⑥

続き:
実際の広告宣伝費の投下額に大きな差額が生じた場合、特に民放各社は広告費が多いほうに便宜を図る可能性が高い。また、実際にその放送現場を仕切るのは、改憲派の宣伝広告を担当する電通であることも忘れてはならない。つまりプレーヤーがジャッジの現場に立ち会っているのと同じなのだ。具体的には、以下のような印象操作の可能性が生じる。
①スポットCMの発注金額に大きな差がある場合、ゴールデンタイムなどの視聴率が高い時間帯に、金額が多いほうのCMをより多く流す(ラジオも同様)。
②同じく発注金額が多く、かつ早ければ、タイム枠(提供枠)のスポンサーになることも可能。
③一見公平に見える討論会でも、スポンサーに改憲派企業がつけば、その内容操作が可能になる。例えば改憲派は若い評論家や著名人を出席させるのに対し、護憲派は高齢評論家や学者ばかり揃える。というような印象操作が可能になる。カメラワークによって映る表情や秒数で差をつけることもできる。
④ワイドショーなどのコーナーでも、放映される時間(秒数)に差を付ける、コメンテータも改憲派寄りにするなどの操作が簡単にされる。
⑤同様に、夜の報道番組に改憲派のCMが多数入れれば、それだけでその番組が改憲押しであるように錯覚させることが可能になってしまう。また、報道内容でも放映秒数に差を付けたり、印象を偏らせたりすることが容易に出来る。
 以上のように、特に電波メディアに於ける広告資金量の差、発注タイミングの差は圧倒的な印象操作を生む可能性がある。
       日本の将来を電通に託すのか
 では上記のような状況を防ぐ手だてはあるのか。それには、おそらく以下のような規制を設けるしかないだろう。
①あらゆる宣伝広告の発注金額を改憲派・護憲派ともに同金額とし、上限を設ける(キャップ制)。例えば、予め総金額を一団体5億円、総額で100億円などに規定し、両陣営ともその範囲内で使用メディアを選定、内容を公表する。費用は国から支給する。
②TVやラジオCMの放送回数を予め規定し、放送時間も同じタイミングで流す。放送枠はテレビ局が無償提供する。
③先行発注による優良枠独占を防ぐため、広告発注のタイミングを同じにする。
④報道内容や報道回数、放映秒数などは公平性を損なわないよう、民放連に細かな規制を設定させ、違反した場合の罰則が必要となり、設定する。
⑤宣伝広告実施団体(企業)の討論番組へのスポンサーは禁止。
⑥ネットメディアへの広告出稿に関しても回数・金額の上限を設ける。
⑦以上を監視・検証する第三者団機関を設置しなければならない。
 しかし、資金規制を設けるには、改憲派が多数を握る国会で法改正を通さなければならない。結局は影響力が強いテレビとネットメディアへの広告費集中は避けられないだろうし、そこに細かな規制を設けるのは相当困難だ。であるなら、思い切って「テレビ広告は全面禁止」にしてほうが一番スッキリすると思う。これは、一番影響力があるメディアが「資金力の差」によって歪むことを予め防ぐ為だ。
 筆者(本間)は原発広告によってTVメディアが原発ムラにかしずき、原発を批判するニュースを一切流さなかった歴史を知っているので、彼らの「公平性」などは全く信用していない。だから広告費をゼロにし、その影響力が偏らないようにするのがベストだと考える。
 だが、テレビCMをゼロなどという提案は当然、民放連の強い反対に遭うだろう。それだけででなく、上述したように圧倒的有利な状況にある改憲派が、みすみすその優位性を崩す法改正に応じる可能性も低い。ではその場合、護憲派はどうすべきか。ここは一刻も早く、団結してメディア対策に本腰をいれるしかないのだ。
 このように近い将来わが国の行く末を左右する非常に大きなイベントを、私たちは「法令違反企業」電通に託さなければならない構図になっている。しかしこれは極めて異常な事態だ。2015年度の電通の売上高は約1兆5000億円、連結で約4兆5000億円。これは単体ベースで2位の博報堂の2倍、連結でも、3倍以上の差があり、圧倒的なガリバー状態である。公正取引委員会はすでに2005年の調査で電通の寡占化に対して「公平性、透明性の確保が必要」と指摘していたが、現在の電通はその頃よりはるかに巨大化している。同社は本当に独占禁止法に抵触していないか、公取は再び徹底的に調査すべきだ。
 代替する企業がないほど電通が巨大になり過ぎ、自由競争がないがしろにされていることを、国民はもっと認識しなければならない。電通の企業体質に司直のメスが入った今、あまりに巨大になりすぎた電通をどうすべきか、国会で議論すべき時期にきていると筆者(本間)は思う。




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