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2017年6月21日 (水)

監視の時代とプライバシー ①

指宿信(成城大学法学部教授)さんは次のように考えている。コピー・ペー:

 監視のパラダイムでしばしば引用されるのは、ベンサムが提唱したパノプティコン(一望監視施設)であろう。周知の通りこれは刑務所のような収容施設において被収容者の監視を容易にするためのアーキテクチャーである。

 公共空間におけるプライバシーという新概念に取り組んだ米国の法律学者スロヴォキンは、このパノプティコンに対立する概念は、”公的な場所での匿名性”であると述べた。彼は、あらゆる人、物、情報の動きを一望に監視しうる技術が提供されるようになった現代社会は刑務所のように超パノプティコン化しており、それに対抗するためには公共空間でも匿名性がまもらなければならないとする。その観念をスロヴォキンは「公的プライバシー」と呼ぶ。

 これまで伝統的な考え方から言えばこの表現は概念矛盾に聞こえるかもしれない。プライバシーとは公的でない領域を保護する概念であって、公共空間は私的空間とは区別されるという二元論が一般的だからである。

 しかし、たとえ公共空間においても、他者とは距離を置き、会話を傍受されたり監視し続けられたりしない自由な領域・空間を我々は必要としている。それは伝統的にそうであったし、技術革新が顔認識技術をもたらし、携帯電波の追跡を容易にし、そしてドローン撮影という名前の空中監視を可能にする今の時代にあっては、ますますその必要性がたかまっている。2017年3月15日、最高裁大法廷は我が国で初めて、公共空間におけるプライバシー保護の必要を正面から認める画期的な判断を下した(以下「17年判決」という)この判決のもつ意義について監視の時代という文脈から考察を加えるとともに、監視技術に対する規制のあり方について私見を提示するものである。



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