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2017年6月15日 (木)

共謀罪のある日常について 例③

続き:   「共謀罪」― 例③ 痴漢冤罪の現場遭遇
     目撃したままを法廷で話そうとしただけなのに、何故か偽証罪の共謀を疑われて
    目撃者が逮捕されることも?
     捜査機関が考える真実を話さない場合、偽証罪の共謀で罪に問われる可能性が
    あります。
 Gさんはいつもの通勤電車で痴漢を目撃。
 ところが被害者女性は、誤って痴漢である犯人の隣にいた大学教授のXさんの手をつかんで、鉄道警察に突きだしてしまい、X教授は現行犯逮捕された。
 Cさんは「犯人はその人じゃないですよ」と警察に話したのですが、まったく話を聞いてもらえません。急いでいたCさんもそれ以上は説明せずに会社へ向かった。
 X教授の刑事弁護人は、冤罪に取り組む市民団体とも協力して、Cさんと連絡を取り、Cさんに目撃したことを法廷で証言してほしいと頼みました。Cさんも「自分の証言が人助けになるなら」と承諾しました。
 しかし、X教授が犯人であると考えを崩さない警察は、Cさんを偽証の共謀罪で逮捕した。
 「X教授や彼の無実を信じて支援する会のメンバーたち、そして弁護団が、Cさんと共謀してX教授の罪を免れさせようとした」と言うのです。
 Cさんは「私とX教授と以前に会ったこともありません。たまたま同じ車両の中に居合わせて目撃し、見た通りの事を法廷で話そうとしただけです。なぜこんな目に遭うのですか」と抗議しました。
 しかし耳を貸してもらえませんでした。Cさんは連日警察の取り調べが続いたため恐怖を感じ、また家族に与える影響なども考えて、法廷での証言を断ることにしました。
 その結果、最初はだれもが簡単に晴れると思った冤罪事件だったにもかかわらず、結局X教授は罪を着せられてしまう結果に。
 目撃者のCさんも、支援する会や弁護団も「組織的犯罪集団」にされてしまうという、思ってもみなかった事態になってしまったのです。
       萎縮して、真実は闇の中
   解説として、          弁護士・海渡双葉さん
 法案の対象犯罪に、偽証罪も挙げられている。偽証とは、法廷で宣誓した証人が記憶と違う事を証言することです。
 しかし、記憶と違うか否かは判断が難しいところです。1974年に起こった甲山事件では、被告人のアリバイを証言した同僚ら2人が、後に偽証罪起訴されました。最終的には、被告人は無罪となり、偽証罪で起訴された承認2人も無罪が確定しましたが、「捜査機関が考える真実」と異なる証言をする者が、偽証罪の容疑で取り調べられるという事態は、現に起こり得るのです。
 そして、例③―Cさんのように、支援者の会や弁護団と証人予定者Cさんが打ち合わせをしたという計画段階で、共謀罪と言われかねません。取り調べを受けるだけでも、心理的な圧力は大きく、萎縮し、証言を諦める人も出てくる恐れがあります。
 おかしな点はまだあります。偽証罪には未遂(犯罪の実行をしたが、犯罪結果は生じなかった場合)の処罰規定がありません。証人は法廷で、記憶と違うことを言い掛けて、その場で訂正した場合、犯罪は成立しないのだ。しかし、未遂で処罰されないものが、未遂よりずっと前の計画段階で犯罪になるのだ。このような逆転現象は他にも多々あり、組織的な監禁罪や建造物損壊罪なども、未遂処罰規定が無いのに277物の対象犯罪に挙がっています。





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