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2017年7月 8日 (土)

「御用新聞」という自己否定 ④

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 加計学園の報道で明らかになったのは、「なにが事実か」より「どちらに付くと得か」の判断で動きまわっているメディアがある、ということだった。「真実」より「都合のいいこと」に関心がある。「偽ニュース」「オルタナティブ・ファクト」と底流で連なる行動だ。予算や権限を握り、プライバシーにまで踏み込める強者が「カラスは白い」と言えば、「そうです。カラスは白い」と応じる。その方が生きてゆくには楽だ。忖度はびこる官僚の世界は既にそうなっている。
 前川氏によると、獣医学部は閣議で定めた新設の条件を満たしておらず、規制を緩和する根拠はなかったという。「赤信号であるのに青信号にして走り、行政を歪めた」「存在する書類を無いと言うしかない文科省の職員は気の毒だ」とも言っていた。日本は、官邸や内閣官房が暴走しても逆らえない政府になってしまった。その上メディアまでおとなしくなった。
 「インタビュー 妻も頼むか、読売に」―― 朝日川柳(5月16日)に載った一句。権力御用達となった新聞への痛烈な一刺しだ。改憲を読売新聞で滔々と語りながら、国会では説明を拒否する安倍首相。自民党総裁としての発言で、詳しく知りたければ読売を熟読しろ、とまで言った。(→読売新聞には安倍首相だと書く)。首相と総裁の立場を使い分ける。公務員の秘書を引き連れ森友学園の小学校建設に関わりながら、「私人」(これも閣議決定)を理由に説明を拒否する昭恵夫人。夫婦に共通するのは、公式の場所での説明責任を逃げようとする姿勢だ。
 首相は読売新聞を「スピーカー」として使ったのか。自民党総裁として憲法改正を訴えたいのなら、メディアを集めて記者会見をするのが筋道だろう。質問はうけたく無い、言いたいことだけを言う。発信はツイッターで、というトランプ大統領と同類である。問いただされることに耐えられないのか。そのような大統領に、米国のメディアは足並みそろえて闘っている。メディアだけだはない。FBIは、大統領の側近だろうと疑わしい事実があれば、遠慮なく捜査する。その報復か、FBI長官の首も飛んだ。アメリカでは、メディアも司法も「独立性」を堅持しようと体を張っているのだ。
 日本はどうか。「忖度」「自粛」から「追従」「お先棒担ぎ」へと進むメディアが登場した。国会では、監視社会を一段と強める共謀罪が強行採決された。引き返せない「ポイント・オブ・ノーリターン」は、刻一刻と近づいている。





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