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2017年7月 3日 (月)

Science 漢方を知る ⑥

続き:
(2) 芍薬甘草湯
   骨格筋、平滑筋問わず筋肉の緊張緩和作用が有る。骨格筋に対しては、筋弛緩、抗痙攣的作用して、平滑筋に対しては、鎮痙的作用する。このことによって筋肉痛(こむらがえり)、腹痛、尿管結石や胆石の急性疼痛等を治療する。また横隔膜の痙攣によるしゃっくりなども有効。脚がつるのを予防するために、運動前に服用する場合もある。長期連用の場合には甘草の副作用に注意する。
3) ストレス
(1) 半夏厚朴湯
   「喉元に何かつかえる」を目標に使用される。気分が塞いで、咽喉、食道部に異物感があり、時に動悸、めまい、嘔気などを伴う不安神経症、神経性胃炎、つわり、神経性食道狭窄症、不眠症などに使用される。
(2) 加味逍遥散
   症状が逍遥する不定愁訴に用いられる。比較的華奢な体格で、さまざまな自律神経症状(めまい、動悸、頭重、不安、不眠、いらだち、のぼせ、肩こり、発作的に起こる発汗、便秘等)に用いられる。また、月経不順、月経困難、更年期障害にも使われる。歯科では、舌痛症や顎関節症等の不定愁訴に、マイナートランキライザーの代用として使用を試みる。
 著者(笠原)は、漢方の概略と「歯科関係薬剤点数表」に収載された7種類の漢方薬についての解説、口内炎や歯痛に対する漢方薬を使った治療のバリエーションを解説し、最後には、先ず自身に使ってその効果を体験することで、少しでも、漢方薬に親しんでもらうことを念頭に解説を行った。
 歯科の技術、抗菌薬や鎮痛薬などは急性症状に有効である。一方で漢方薬の適応はなかなか治らない症例、即ち、慢性疾患に有効。難治性口内炎や歯周炎に対し、通常の歯科治療に漢方薬を併用するとより効果が期待できるかもしれない。また、三叉神経痛に対しては副作用の多い抗けいれん薬の投与量を減らすことができる可能性がある。自律神経機能の調整や体質を改善・強化し、病気への抵抗性を高めることができる漢方薬は生活習慣病や慢性疾患を持つ患者に対しても、良い効果をもたらす可能性があると考えている。
 口腔顔面領域に使えることができる漢方薬は、実はまだまだ沢山ある。実際は口腔顔面領域に使うことができる漢方薬が相当数あるのに、診療上制約があるのは大変残念なことである。――― ”関節痛や筋肉痛に効果のあるもの”、”口腔顔面領域にまだ、保険使用されていないで、素晴らしく効果のある漢方薬の例”もある。今後、漢方薬の普及の促進とそれを支援する歯学教育、卒後教育の充実を図っていかなければならないと考えている。




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