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2017年7月30日 (日)

Science 歯科医療におけるCT・MRIの基礎・臨床 ④

続き:
3. CT、MRIの画像の特徴及び対象疾患
 CTは原子番号の高い組成の組織は高濃度域に、X線の通過しやすい脂肪や水は低濃度域に描き出される。よって単純なX線検査同様に、CTは歯や顎骨のカルシウム(Ca)の増減を主に描出している。一方、MRIは全く異なる理論で画像が生み出されている。
 ヒトの体は新生児で80%、成人で60%程度が水分で構成されており、水素(H)の信号を画像化するMRIは、ヒトの構造を画像化するのに非常に好都合な画像機器である。特にH原子は人体の水、脂肪、タンパク質等の分子を構成し、また、同じ水でもさらさらした水や、どろどろした粘性の高い状態等のヒトの水分の状態により発信するMRIの信号は異なるのである。MRIはこれら信号強度をコンピュータで再構成して、信号強度により黒白の濃淡として画像化する画像検査装置である。よって、MRIはラジオ波の与え方やタイミングにより多数のMRI撮影像法がある。日常歯科の臨床でMRI検査依頼の多い顎関節のMRI検査は、ほぼ通常スピンエコー法(SE法)による、プロトン密度強調像、T1強調像またはT2強調像を用いて、関節円板の位置、形態、Joint effusion の有無、下顎頭骨髄の状態等の検査を行う。
 腫瘍等のMRI検査は血管から造影剤を静注した造影T1強調像も用いた、2つまたは3つの画像から病巣の範囲や信号強度を比較し、画像診断を施す。ほとんどの疾患は正常組織より水分量が増加または減少するため、T1強調像及びT2強調像で信号が変化し、画像として描出される。これらの画像や信号強度を周囲正常組織と比較しながら、病変の進展範囲や鑑定診断に用いるため、各正常組織の信号強度を理解することがMRIによる画像診断に必要である。
 MRIによる各組織の信号強度(MRI スピンエコー法 : SE法)
             T1強調像               T2強調像
多くの腫瘍、膿疱      低~中信号 (灰)          中(灰)~高(白)
脂肪、骨髄、耳下腺     高(白)                 高(白)
粘液、リンパ節        中~高   (灰)~(白)      高(白)
筋肉、神経          低~中        (灰)          低~中  (灰)
関節円板、筋膜       低(灰)                 低(灰)
副鼻腔、骨皮質、石灰化物      無信号(黒)        無信号(黒)
 




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