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2017年7月28日 (金)

Science 歯科医療におけるCT・MRIの基礎・臨床 ②

続き:
2. CT、MRIの原理
1)臨床医が抑えておくべきCT原理
 CT装置は英国EMI社の研究員であったHounsfieldが発明したものであり、1972年米国シカゴでの北米放射線学会(RSNA)で発表された。CTの原理は被写体をはさんでX線管球と高感度の検出器を対向させ、多くの方向からX線を照射して、人体のX線吸収係数を得て、コンピュータを用いて水を基準としたCT値に換算し、画像の再構成を行い、人体の断層像を得る方法である。現在の歯科用コーンビームCTも含め、すべてのCT装置は、Hounsfieldが発明した同原理でなされている。米国シカゴでの北米放射線学会のたった7年後1979年にノーベル生理学・医学賞を受賞したことからも当時の医療に与えた衝撃ははかり知れないものがあり、我々はこの業績を今も享受しているのである。
 得られた人体の各組織のCT値からコンピュータを用いて画像を再構成し、CT画像が得られる。皮質骨のCT値は+1000前後、筋肉、血管、通常の腫瘍のCT値は+100前後、水のCT値は0、脂肪のCT値は- 100前後、空気は- 1000前後のCT値を呈している。CT画像濃度はこれらCT値が反映されている。
2)医科用CTで最も使われているマルチスライスCT(以下、MDCT)
 現在、MDCTは一般医科病院で最も使用されているCT装置。X線検出器が縦(頭尾方向)にいくつも(現在最大360列)並列配置し、人体を高速撮影する装置。最大の特徴はボリュームデータ(容積画像)を高速に撮影可能なため、特に時間分解能(いかに短時間に画像の収集ができるかの機能)に優れたCT装置であり、近年、心拍に同期させてCT撮影像できるため、循環器領域で頻用されている。我々が専門とする口腔領域でも、嚥下は通常1分間に約3回とされているため、動きによるモーションアーチファクトによる障害陰影を防止の意味でも、高速撮影像は重要な機能である。通常、顎骨の撮影像は検出器の列数にもよるが2~3秒程度で検査可能であり、被曝低減のためのフィルターの開発や撮影像プロトコールおよび画像データソフトの開発により、高分解能、低被曝化が急速に進歩している。





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