« ~最近の認知症を取り巻く動向~ ① | トップページ | ~最近の認知症を取り巻く動向~ ③ »

2017年8月 3日 (木)

~最近の認知症を取り巻く動向~ ②

続き:
2. 新オレンジプランにおける歯科医師の位置付け
 先にも触れたが、平成27年1月に国家戦略として新オレンジプランが発表され、歯科医師の役割も明記されている。新オレンジプランは7つの柱から成るが、
                 7つの柱
 ①認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
 ②認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供
 ③若年性認知症施策の強化
 ④認知症の人の介護者への支援
 ⑤認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
 ⑥認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究
   開発及びその成果の普及の推進
 ⑦認知症の人やその家族の視点の重視
その2つ目の柱”認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供”には歯科医師の役割が明記されている。2つ目の柱の基本的な考え方は、「発症予防⇒発症初期⇒急性増悪時⇒中期⇒人生の最終段階」といった認知症の容態の変化に応じて適時・適切に切れ目なく、そのときの容態にもっともふさわしい場所で、医療・介護が提供される仕組みを実現することに基づいている。アルツハイマー病に代表される変性性認知症は死に至る病であることを念頭においた支援が必要なことを、改めて強調したミッションとなっていると考える。
 新オレンジプランにおいても(以下抜粋)「認知症の発症予防については、運動、口腔に係る機能の向上、栄養改善、社会交流、趣味活動等日常生活における取組が、認知機能低下の予防に繋がる可能性が高いことを踏まえ、住民全体の運営によるサロンや体操教室の開催等、地域の実情に応じた取組を推進していく」とされている。また歯科医師への具体的な役割として新オレンジプランに書いてある内容をまとめると、①口腔機能向上を通じた認知症予防、②認知症の早期発見③認知症の進行に応じた継続的な口腔機能管理、さらにそれらを円滑に推進するための、④認知症対応力向上研修の実施、が求められている。これらに応えるためには、新オレンジプラン全体の理解が必要となることは、繰り返しになるが、自明のことと言えよう。
 以上の新オレンジプランを受け、平成27年度厚労省事業にて歯科医師の認知症対応力向上研修カリキュラムづくりが行われ、平成28年度から全国で研修実施されている。また、日本老人歯科医学会は、平成27年6月に「認知症患者の歯科的対応および歯科医療のあり方:学会の立場表明2015.6.22版」を学会ホームページおよび学会誌にて発表しており、認知症患者への歯科治療に関するガイドライン作成に今後取り組む方針が明記された。これを受け、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)は、平成28年度長寿科学研究開発事業「認知症高齢者に対する歯科診療等の口腔管理及び栄養マネジメントによる経口摂取支援に関する研究」にてガイドラインづくりを進めている。
 





« ~最近の認知症を取り巻く動向~ ① | トップページ | ~最近の認知症を取り巻く動向~ ③ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ~最近の認知症を取り巻く動向~ ②:

« ~最近の認知症を取り巻く動向~ ① | トップページ | ~最近の認知症を取り巻く動向~ ③ »