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2017年8月16日 (水)

東芝はどこへ―日本の原子力行政の破綻 ①

細野祐二(会計評論家)さんは、「東芝問題」について雑誌「世界8月号」に述べている。コピー・ペー:
1 東芝の迷走が止まらない。
 東芝は、2017年3月期の決算において、9500億円の株主帰属当期純損失を計上し、同決算期末において5400億円の株主資本債務超過に陥った。この決算を監査法人は了解していない。東芝は、2017年5月15日、監査法人の了解のないまま、2017年3月期の決算概要の発表を強行したのである。こんなことは長期粉飾決算末期のオリンパスさえやらなかった。
 東芝の第178期定期株主総会は6月28日に予定されているが、株主宛に発送された株主総会招集通知には、2017年3月期の決算書が添付されていない。東芝の2017年3月期の決算承認は、そもそもこの株主総会の議案にもなっていないのである。東芝の有価証券報告書の提出期限は6月30日であるが、この日までに東芝が監査法人の決算承認を得る可能性はゼロに等しく、東芝は、8月10日までの有価証券報告書の提出延期を申請した。だからといって、8月10日まで待てば、監査法人が監査意見を出してくれるのかどうかは分からない。東芝とPwCあらた監査法人の対立の根は、社会が想像する以上に深いと考えなくてはならない。
 そもそも、東芝の2016年12月期第3四半期報告書の提出期限は2017年3月14日だったが、東芝はこの日に四半期報告書の提出ができなかった。監査法人の監査意見が取れなかったからである。やむなく東芝は、関東財務局に対して四半期報告書の提出期限の延期を申し出て、新たな提出期限は3月14日となったが、監査法人の監査意見はここでも取れず、再延期の提出期限は4月11日となった。この間、3月29日に米国子会社ウェスティングハウス(以下、WEC)は米国連邦倒産法第11条(チャプター11)の申請を行った。
 再延期期日の4月11日になっても監査法人の了解は取れず、窮した東芝は、監査法人の「無限定結論」(年度財務諸表に対する無限定適正意見に相当)の添付されていない2016年12月第3四半期報告書を提出した。この四半期財務諸表に対して、PwCあらた監査法人は、「結論の不表明」とする意見差控監査報告書を提出すると同時に、2016年6月第1四半期財務諸表と2016年9月半期財務諸表に対して、すでに提出していた無限定結論の監査意見を撤回し改めて意見差控とした。
 日本の有価証券報告書開示制度始まって以来の異常事態が、その解決の目途もたたないまま、半年近く継続している。2015年以来、東芝問題は不正会計による経営問題として論じられてきたが、事態は会計問題をはるかに超えて、政治問題あるいは外交問題になってしまっており、しかも当の本人である東芝には当事者能力が全く失われている。意思をもって解決を主導する主体が存在していないのである。あてどなき迷走を続ける東芝問題を財務分析により解析する。

 






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