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2017年8月 4日 (金)

~最近の認知症を取り巻く動向~ ③

続き:
3. 介護給付改定に向けての動向
 平成30年度の診療報酬改定は、6年に1度の介護報酬との同時改定のため注目が集中する。さらに、医療介護総合確保方針、医療計画、介護保険事業(支援)計画、医療保険制度改革等の医療と介護に関わる様々な関連制度の一体改革の節目でもあることから、平成30年度以降の医療および介護サービスの提供を整備するにあたり多くの議論が行われている。その議論の共通認識すべき点として以下が挙げられている。
 ①現状の課題としては少子高齢化がある。人口推計では将来年少人口は減少し、平成37(2025)年に― 団塊の世代が後期高齢者となる。これに伴い、認知症高齢者、独居および夫婦のみの世帯は増加することが予想されている。また、全国各地の地域性により、高齢化のスピードに差があり、高齢化のスピークの時期は大きく異なる。
 ②医療・介護提供体制に関わる基本施策として以下の2点を基軸に行う。
地域包括ケアシステム:医療介護予防住まい生活支援が包括的に確保される体制の自主 
     性や体制に基づき、地域の特性に応じて作り上げていく。
地域医療構想:地域における効率的・効果的な医療提供体制の確保を行う。
 近年の診療報酬改定では医療機能の分化・連携の強化と効率的な医療の実現、地域包括ケアシステム構築を推進した。また充実が求められる分野を適切に評価し、緩和ケアを含む質の高いがん医療や認知症患者への適切な医療計画、口腔疾患の重度化予防等の推進を行った。さらに患者等からみて分かり易く納得できる、安心・安全で質の高い医療を実現する視点から、かかりつけ医、かかりつけ歯科医等への評価を行った。
 以上を踏まえ現在様々な検討が行われているが、認知症と歯科が関連する点について触れる。介護給付分科会資料の中で、新オレンジプランにおける口腔機能管理の位置付けとして、「認知症の人の状況に応じた歯科医師等による口腔管理」「歯科医師を対象とする認知症対応力向上研修」が明記されている。これは以前から指摘されている、歯科医療機関完結型の医療から、歯の形態回復に加え、口腔機能の維持・回復の視点も含めた地域包括ケア(地域完結型医療)における歯科医療提供体制の構築の必要性を、認知症を切り口にその具体策を明記したもの。認知症の人を支える地域包括ケアの「場」の一つとして、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)があるが、介護給付費分科会においてグループホームにおける口腔機能管理に関連した検討が行われており、筆者(平野・枝広)らもその関連事業である平成28年度老人保健健康増進等事業「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)等における認知症高齢者に対する適切な口腔ケア及び経口維持支援のあり方に関する調査研究事業」に関わってきた。次項は、その概要について。




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