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2017年8月22日 (火)

東芝はどこへ―日本の原子力行政の破綻 ⑥

続き:
5 〆て1兆5900億円の損をした。
 WECが3月29日チャプター11を申請したことから、東芝の2017年3月期の財務諸表では、WECの減損処理に加えて、WECの倒産処理も行わなくてはならない。米国連邦倒産法の申請受理がなされたのだから、WECの経営権は米国の裁判所の管理下に移る。この結果、東芝の経営支配権はうしなわれたのだから、WECは東芝の連結決算の対象外となる。即ち、今まで連結していたWECの財務諸表に対しては、その連結除外処理をしなければならない。
 東芝は、今後WECから生じる追加債務を連結除外により遮断することができるが、同時に、連結除外の結果、単体決算において、WECの破綻処理を行わなくてはならない。単体決算における破綻処理とは、WEC株式の減損及び対WEC債権の貸倒並びにWECに対する保証債務の損失処理である。
 東芝が5月15日に公表した「2016年度通期業績の見通しについて」と題する資料では、WECの「のれんの減損」を中心とする連結決算上の処理を、示している表(略また後で)がある。
 東芝は、2016年3月期の連結決算に於いて、WECの「のれんの減損」7166億円と無形資産の減損1100億円並びに関連損失434億円の合計8700億円を計上したところ、WECがチャプター11を申請し連結除外となったため、そこで今度は単体決算において、WECに対する債務保証引当と対WEC債権の貸倒併せて9800億円とWEC株式の減損5900億円並びにその他関連損失200億円の合計1兆5900億円を計上した。開示された非継続組替処理を仕訳形式で整理すると表(略また後で)の如く。
 ここで、連結除外損益で計上されている1兆1000億円の利益計上が分かりにくいかもしれない。しかし、これは、WECの連結除外による過年度連結仕訳の取消処理だ。東芝は、2016年12月第3四半期の連結財務諸表において、のれんの減損7166億円、無形資産1100億円の減損、その他損失434億円を計上したが、WECの連勝減損処理としては、これ以外に、すでに終了した2016年3月期の連結財務諸表に計上されたWECの一部減損2300億円があるのだ。
 さて、これがWECに関する連結減損処理の全てであるが、今回連結除外により、WECの減損は全て単体決算に取り込まれることになるので、既に2016年第3四半期以前に行われた連結減損仕訳はここで一旦取り消しておかなくてはならない。そこで2016年12月第3四半期ののれんの減損7166億円、無形資産の減損1100億円、その他損失434億円と2016年3月期の一部減損2300億円を取り消すのが連結除外処理であり、その合計は1兆1000億円となる。
 東芝は、2,006年10月の買収以来、WECに悩まされてきたが、今回の連結除外によりその通算損益を計算してみると、この11年間の合計収入がゼロに対して、その最終損失は、株式の清算損5900億円、保証引当損7935億円、貸倒損失1865億円、その他関連損失200億円で決着したので、結局1兆5900億円(5900億円+7935億円+1865億円+200億円)の通算損失で結末を迎えたということになる。





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