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2017年8月30日 (水)

加計学園問題の本質 ③

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 結論から言えば、「総理のご意向」が諮問会議で総理自身により具体的に明示された事実はないようだが、一般的・間接的な「ご意向」の頻繁な表明と、国家戦略特別区域会議(以下、区域会議)、同分科会やワーキンググループ(以下、WG)も含めて諮問会議の審議とその経緯には、「加計ありき」の巨大な忖度があったと見做さざるを得ない。
 次の表(略)はタイムライン表だが、―国家戦略特区諮問会議の種々の会合と経過と内容を中心にしたもの―細かな説明は割愛する。上記結論の根拠となる。⇒根拠、会合の経過、内容の3点の確認のみ。
 第一に、2015年6月4日に今治市の特区提案が提出され、5日にWGによるヒアリングが実施された。そのうえ半年後の2015年12月10日には二回目のヒアリングが実施。しかも、一回目は「国際水準の獣医学教育特区」提案だったが、二回目は<「しまなみ海道」と「今治新都市」を中核とした「国際観光・スポーツ拠点」の形成>となっている。つまり、教育特区提案では不十分だから、国家戦略特区の趣旨である「産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点の形成を促進する観点から」、区域計画として、練り直し、その中に獣医学部も位置づける提案にした。一回目のヒアリングでは、<なぜ今治で>という趣旨の質問がでたものの、追加提案の必要性やその際の力点の置き方などについて指摘されたわけではないから、この間に、諮問会議の関係者からなんらかの助言を受けた可能性も否定できない。ともあれ、このような今治市提案の一連の扱いは、忖度が無ければあり得ない特別なものだったと見るべきだ。
 第二は、今治市・加計学園と京都府・京産大の提案資料とヒアリングの違いだ。今治市の場合、一回目のヒアリングでは、表形式A4横長一枚の提案書とPPTスライド三枚の添付資料でしかなく、二回目も提出資料はPPTスライド一枚でしかない。それに対して、京都府・京産大の場合、提出資料は21p、で、根拠となる独自調査の結果も含めて、獣医学部新設四条件をすべて満たす内容となっており、質疑でも「全て納得……全面的に賛同」「非常に説得的なお話」等と高く評価された。しかし、前述の通り、その後の諮問会議では「空白地域」に限り認めるという方針が決定され、京都府・京産大は新設を断念することとなった。
 第三は、「総理のご意向」は当初からあった可能性を示す発言が確認されることである。それは藤原豊内閣府地方創生推進事務局審議官の発言で、2016年9月16日開催のWGヒアリングの議事要旨1~3pに記されている。
 「○藤原審議官 WGをスタートさせていただきます。文科省、農水省にお越しいただきまして、獣医学部の新設の問題ということでございます。学部、大学を問わず、これは昨年の成長戦略の中でこの問題につきましては政府決定をしておりまして、当時、本年度中に検討ということなので少し時期をもう越えておるのですが、関係省庁とともに政府として宿題を負った形になっているというのがポイントでございます。総理からもそういった提案課題について検討を深めようというお話もいただいておりますので、少しそういった意味でこの議論についても深めていく必要があるということで今日はお越しいただいた次第でございます。」
 この発言では、「総理のご意向」ではなく、「総理からも……検討を深めようというお話」となっているが、趣旨は「総理のご意向」と見てよい。その根拠は以下である。
 





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