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2017年8月29日 (火)

加計学園問題の本質 ②

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 前川喜平・前文科事務次官が5月25日の記者会見等でも証言したように、今回の事件で「公正公平であるべき教育行政」が著しく歪められることになった。その歪みとしては、少なくとも以下の7点を挙げることができる。
 第1に、京都府と京産大の獣医学部新設提案がアンフェアな扱いを受け不当に排除されることになった。第2に、文科省は、諮問会議の特区方針により、獣医学部新設は認めないとしてきた従前からの方針の変更を強いられ、しかも、その変更に際して文科省が作成した文案に、2016年11月9日の諮問会議で「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」というように、文言が追加(広域的、存在)され、京産大提案の恣意的な排除に加担させられることにもなった。なお、この排除は新潟市の特区提案にも当てはまる。第3に、その分案修正により、諮問会議とその議長である安倍首相は加計学園に便宜供与・利益誘導することになっただけでなく、文科省もその便宜供与に加担させられることになった。第4に、このアンフェアな排除は既存の16獣医学部にも及ぶ。そのなかには定員を増加させたい学部もありうるからである。
 第5に、以上4点により諮問会議と首相は「岩盤規制」の突破口にするという特区の基本方針とは矛盾する真逆の決定を行った。というのも、この突破口は、加計学園に対してのみの限定的な規制緩和であり、他の多くの特区提案にも及ぶものでは無いからである。しかも、同獣医学部は定員160名だ。空白区域を言うなら、新潟を含む北陸も関東北部・東北南部も該当し、近畿も南部と北部は空白に近い。一校限定も日本獣医師会の要請によると言うが、例えば55名前後三校という選択もあり得たはずだ。
 第6に、文科省所管の大学設置・学校法人審議会(以下、設置審)の権限を制約し、加計学園の獣医学部設置申請の審査に不当な圧力を加えることにもなる。設置審の審査では、例えばカリキュラム等に是正意見が一つでもつくと修正・再審査となり、入学者選抜の実施はもちろん、入学者選抜要項の公示もできないことになっている。それでも、1回の修正・再審査で認可されればまだしも、2度、3度となると受験者数は大幅減となり、合格ラインを下げても入学定員を大幅に下回る場合や、4月開校も不可能になる場合もある。この厳正な審査は、教育の質保証と受験者や入学者への重大な不利益を未然防止するためにも、やむを得ないものである。
 第7に、大学や学部の新設に際してはどの大学も膨大な資料付の申請書を作成し、是正意見のつかないように大変な苦労をしているが、加計学園に対する特別扱いは、過去・現在・未来の設置申請に対してもアンフェアな制度運営を行ったことになる。





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