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2017年8月 8日 (火)

Report 2017 成人肺炎診療ガイドライン 2017 ①

広多勤(横浜ヘルスリサーチ代表)さんのレポート:コピー・ペー
 日本呼吸器学会は「成人肺炎診療ガイドライン2017」を発表。「診療ガイドライン」とは、対象疾患を問わず、いかに治すべきかの指針を示すのが常であった。しかし、この新ガイドラインは、「治す医療」一辺倒から「自分らしく生きるための医療」へと一歩踏み出した考え方を取り入れた診療ガイドラインとして、多方面から注目されている。
 従来の肺炎診療ガイドラインは、発症の場や病態に「市中肺炎」「院内肺炎」「医療・介護関連肺炎」に肺炎を分類して、それぞれにガイドラインを作成されてきた。新ガイドラインはそれらをまとめて肺炎全体をカバーする診療ガイドラインとして、非専門医師にも使いやすくなったのが大きな特徴だ。
 同ガイドラインによれば、肺炎の発症頻度は、入院受療率(人口10万人対の1日当たりの患者数)が34.6で、肺がん(同18.8)、喘息(同4.4)などよりかなり多い。「市中肺炎(community-acquired pneumonia:CAP)」の患者は基礎疾患が無いか軽微で、肺炎球菌、インフルエンザ菌、肺炎マイコプラズマなどが原因となることが多く、比較的根治しやすい。一方、「院内肺炎(hospital-acquired pneumonia:HAP)」の患者は、何らかの基礎疾患があり、しかも耐性菌が原因にリスクが高いため、死亡率がCAPより高い。「医療・介護関連肺炎(nursing and healthcare-associated pneumonia:NHCAP)」は医療ケアや介護を受ける高齢者に発症する肺炎で、CAPとHAPの中間的な位置付けだが、誤嚥性肺炎が多い。死亡率はCAP6.3%に対して、HAP30.4%、NHCAP13.5%となっている。
 この診療ガイドラインで特筆すべき点は、予後不良例や老衰の過程で発症する例も多いHAPおよびNHCAPについては、「治療薬の決定」などを判断する前に、患者背景をアセスメントして、誤嚥性肺炎を反復しやすいリスクがある、または、疾患末期や老衰の状態であると判断した場合は、「個人の意思やQOLを考えた治療・ケアを行う」という選択肢を提示したことだ。
 



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