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2017年10月29日 (日)

認識システムの最先端 第6回 ③

続き :

透明物体の3次元計測

 世界中で日本の飲料水は最も安心して飲めるということだが、本当にそうであろうか?これまで、悪玉菌を検査する為には、個体培地や液体培地に検査試料を塗布し、コロニーに成長するまで待たなければならない。我々は、培地を必要とせず、検査結果が即判明する安価で小型な検査装置を開発することにした。

 前述のデジタルホログラフィ顕微鏡は、透明物体をリアルタイムで計測可能な手法であるため、レンズなどの精密加工された透明材料だけでなく、アメーバなどの微生物を直接傷つけることなく観察可能である。平成26年度より経産省の橋渡し研究事業の補助金を得て、(株)マクシスエンジニアリング、名古屋環未来研究所、名古屋大学Maturana 研究室と共同で、水処理施設における水中の微生物観察を目的とした透過型のデジタルホログラフィ顕微鏡を開発した。(図-略)

 計測可能な微生物と菌の種類として大腸菌、血球細胞、花粉、胞子、珪藻、プランクトンのマップもある。(図-略)

 ワンショットで約5000個の形状計測ができる。大学院生の研究で、食事前と食後では赤血球の体積がかなり変化することが分かっている。レーザ光と白色のLED照明をフレーム毎切り替えて撮影することにより、2次元画像と3次元画像を同時に観察可能なシステムを構築した。透明な微生物は、通常の顕微鏡による2次元画像では観察が困難である場合も多いが、干渉縞計測を適用することで試料の体積変化がリアルタイムに3次元観察できる。

 これにより、μm オーダーの菌や微生物のリアルタイム検査を行えるようになったが、残念なことに10の(-10)乗 m オーダー (A)のウイルス菌の計測には及ばない。

 ユニセフの調査によると水の汚染とトイレや手洗いなどの衛生施設の欠如により、5歳未満の子どもたちが毎年150万人以上死亡している。今後、さらに、本装置の精度・小型化・安価・測定時間を向上して、世界の子どもたちが安心して飲める水かどうかを検査できる装置を開発していきたい。

 




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