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2017年10月26日 (木)

Report 2017 高齢者の定義 ②

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 提言によると、65歳以上を「高齢者」とする定義には必ずしも医学的・生物的な根拠はなく、近年、個人差はあるものの、若々しく活動的な高齢者が多くなり、この定義が現状に合わない状況が生じていることから、日本老年学会と日本老年医学会は2013年に学際的な合同ワーキンググループを立ち上げて、色々な角度から議論を重ねてきた。
 高齢者の心身の健康の種々のデータを検討した結果、加齢に伴う心身機能の変化の出現時期が、10~20年前と比較して、5~10年遅延していること、社会一般に65歳以上を高齢者とすることに否定的な意見が強くなり、内閣府の調査でも、70~75歳以上を高齢者と考える意見が多いことなどから、65歳以上の人を「准高齢者」に区分することを提言した。
 先頃、同ワーキンググループの最終報告書がまとまり、その検討データが公表されている。
 報告書は国内外の定義と関連する調査研究のほか、疾患の発生や受療、身体的老化、歯の老化、精神心理的老化、社会的老化等の項目で構成される。このうち「歯の老化」については、コホート分析で歯数20本となる年齢の経時的変化をみたところ、1957年には男性55歳、女性48歳だったが、2011年には男女とも68歳に延び、さらに延びる傾向にあるとし、昭和時代の65歳の歯数は、現在では80歳前後の歯数に相当すると分析している。
 報告書は総括として、いずれのデータからも高齢者の「若返り」現象がみられ、特に65歳から70歳代前半の人には心身の健康が保たれていて、活発な社会活動が可能な人が大多数を占めていると指摘する。また報告書は、「老年学・老年医学の研究対象として75歳以上を高齢者とすることを提言しており、国の各種の制度における高齢者の定義とはおのずから意味が異なる」として、各制度でどのように高齢者を定義するかを提言する意図はないと断ったうえで、「今回の提言が、社会に活発な議論を呼びおこし、高齢者の社会的イメージを変え、高齢者の活発な社会活動を促進する契機になることを期待する」と述べている。





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