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2017年10月 9日 (月)

Science 歯ブラシを科学する ⑤

続き:
5. 代表的な形状の歯ブラシの特徴
 1) コンパクトタイプの歯ブラシ
  ヘッドの長さが2cm程度の小型のもので、歯科医院専売の歯ブラシの多くはこのタイプに属する。主に、タフトが3列程度の幅の狭いスリムタイプで毛丈を切り揃えた平切り歯ブラシがブラッシング指導で用いられることが多い。コンパクトで形状がシンプルなために、毛先の方向が確認容易で、口腔内で操作し易く、ブラシ部の「つま先」や「脇」等を使用して歯間部などの清掃を行うのに呈している。このような歯ブラシはブラッシングスキルが高く、歯間に合わせて、歯ブラシを角度付けすることができ、ブラッシングに概ね3分以上の時間をかける人に適する。
  歯ブラシの「つま先」「脇」「かかと」などを十分に活用してブラッシングをすることを継続できない人が、歯ブラシの毛の長さが一定に切り揃えられた「平切り」タイプの歯ブラシを使うと、かえって歯間部等の磨き残しが増えてしまうことがあるので、指導内容が順守できているかをしっかりとチェックする。
  また、ヘッドの幅の狭い歯ブラシは、毛先を歯頸部に合わせてブラッシングを行った際に歯間部や歯間乳頭部への毛先の到達性が高くなる。しかし毛先を歯頸部に合せるように出来ない人では、ヘッドの幅が狭いために、歯ブラシの毛先はヘッドの広いものに比べて、歯頸部に当たりにくくなり、歯頸部の磨き残しが増えてしまうことがあるので、スリムタイプの歯ブラシを推奨する際にはその点にも注意する。
  一般的な大きさの歯ブラシで、植毛部全体を使ってブラッシングをした場合の全適ブラッシング力は200g~300g程度であるが、歯ブラシが小さい場合には力は狭い範囲に集中するので、この値より少し小さなブラッシング力が全適ブラッシング力になる。なお、「つま先」や「かかと」など、歯ブラシの毛束の一部を使用して磨く場合にはさらに弱い力でのブラッシングを指導しないと、単位面積当たりのブラッシング力が過大になり、口腔組織への為害性が生じ易くなる。一方、「つま先」や「かかと」など植毛部の一部を使用して弱い力でブラッシングするように指導した患者が、植毛部の一部を使用したブラッシング法が上手に出来ないまま、歯ブラシ全体を使って弱いブラッシング力でブラッシングを続けると、歯間部等に毛先が全く届かずに、かえって磨き残しが増えてしまうことがあるので、患者の保健指導の受容状況の確認が重要になる。
  コンパクトタイプの歯ブラシのなかでは、平切りのものだけでなく、台座の形状や植毛にバリエーションがあり、ブラッシングスキルを補う構造が付与されている歯ブラシも市販されている。このタイプの歯ブラシはヘッドのつま先の部分の毛がやや長いか太い毛を用いているものや、台座の先端部が細くなっているものなどがある。歯ブラシのつま先部の毛が長いか、硬めになっていることで、歯間部や溝などで、歯ブラシの角度付けが不十分であっても、凹部に毛先が入り易くなる。また、台座の先端が細いと、最後臼歯部に歯ブラシが届き易くなる。そのため、このタイプの歯ブラシは時間をかけた丁寧なブラッシングはできるが、歯間部や溝などで、歯ブラシの角度付けがやや不十分な人などに推奨される。





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