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2017年10月30日 (月)

Science 保険適用の CAD/CAM 用レジンブロックの特徴 ①

高橋英和(東京医科歯科大学教授)さんの”Science”― 研究文 コピー・ペー :
1. CAD/CAM レジン冠の保険導入
 先進医療として、2009年1月より「歯科用CAD/CAM システムを用いたハイブリッドレジンによる「歯冠補綴」が承認され、北海道医療大学、広島大学、大阪歯科大学、東北大学にて小臼歯部へのコンポジットレジン冠による治療が開始された。先進医療とは、
「厚労大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」とされ、将来的な保険導入のための評価を行うものとして、いまだ保険診療の対象に至らない先進的な医療技術等と保険診療との併用を認めたものである。
先進医療として行われている治療は何年か毎に見直しを行い、安全性と有効性が認められれば、健康保険に適用される。そこで2014年4月の保険改正で「歯科用CAD/CAM (コンピュータ支援設計・製造ユニット)装置を用いた歯冠補綴物」が保険導入された。さらに2016年4月の保険改正で金属アレルギーがある場合に限って、皮膚科医師などから患者のアレルギー情報の文書による提供があれば、大臼歯にも適用可能となっている。
2. 現在保険適用されているCAD/CAM 冠用レジン
 この保険導入に当たり施設基準の通知と特定保険医療材料としての定義通知が発出されている。「施設基準通知」では「(1)歯科補綴治療に係る専門の知識及び3年以上の経験を有する歯科医師が1名以上配置されていること。(2)保険医療機関内に歯科技工士が配置されていること。また、歯科技工士を配置していない場合にあっては、歯科技工所との連携が図られていること。(3)保険医療機関内に歯科用CAD/CAM 装置が設置されていること。また、保険医療機関内に設置されていない場合にあっては、当該装置を設置している歯科技工所との連携が図られていること。」の3条件が示されている。2017年6月での設置基準の届け出は全国平均で62.9%であり、50%以下の都道府県はなくなり、約2/3の歯科医院でCAD/CAM 冠が使用されていることになる。
 特定保険医療材料の「定義通知」では、次のいずれにも該当することとして、「(1)薬事法承認又は認証上、類別が『歯科材料(2)歯冠材料』であって、一般的名称が『歯科切削加工用レジン材料』であること。(2)シリカ微粉末とそれを除いた無機質フィラーの2種類のフィラーの合計が60%以上であり、重合開始剤として過酸化物を用いた加熱重合により作製されたレジンブロックであること。(3)1歯相当分の規格であり、複数歯分の製作ができないこと。(4)CAD/CAM 冠に用いられる材料であること」とされている。すなわち2種類のフィラーで重量含有量が60%以上で加熱重合することだけが規定されている。コンポジットレジンの物性にはフィラーの含有量、形状が大きく影響する。シリカ(SiO2)の比重は2.2であるのに対し、酸化ジルコニウム(ZrO)は6.0、酸化バリウム(BaO)は5.9、酸化アルミニウム(AL2O3)は3.9であるので、比重の大きいジルコニウムやバリウムを含むガラスを用いれば、フィラーの体積含有量が同じでも見かけの重量含有量が多くなる。そのため、フィラー含有量のみではどのような物性なのかを議論できない。
 メーカーの保険適用の希望が認められた製品は厚労省の通知文で公表されている。筆者(高橋)がまとめた希望が認められた製品と適用開始の時期を表に示す(略)。
 保険適用を希望するには、まず、医療機器として認証されている必要がある。認証機関で認証を得るためには、少なくとも「歯科材料の製造販売承認申請等に必要な物理的・化学的評価の基本的な考え方」に示された品質項目の調査が必要。「歯科切削加工用レジン材料」では、「外観」「色調」「曲げ強さ」「硬さ」「色調安定性」「吸水」「溶解」が評価するべき品質項目として示されており、各製品のこれらの項目について調査して認証されるものと思われる。しかし、どのような方法で品質項目を評価するかは不明であり、試験方法が異なると物性値が異なることもあり、物性値を単純に比較検討することは難しい。






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