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2017年10月 4日 (水)

Science 歯ブラシを科学する ①

高柳篤史(歯科医師)さんの研究文 「歯ブラシの形態と物理的特性」についてコピー・ペー
1. 歯ブラシに求められる2つの特性
 う蝕や歯周疾患は主として小窩裂溝、隣接面、歯頸部の歯垢が原因となって発生する。そのため、歯ブラシにはこれらの狭い部分への毛先の「細部到達性」が求められる。さらに、口腔全体の歯垢をしっかりと短時間で除去する「清掃効率」が求められる。
 しかしながら、歯ブラシに求められる「細部到達性」と「清掃効率」の二つの要件は、両立が難しい。例えば、歯ブラシを大きくすると、清掃効率は高くなるが、細部到達性が低下してしまう。逆に、歯ブラシを小さくすれば、細部到達性は高くなるが、清掃効率が低くなる。同様に毛の細い歯ブラシでは細部到達性は高くなるが、清掃効率が低下する。
 そのため、細部到達性と清掃効率のどちらを重視するのか、バランスをとるか、あるいは可及的に両立するための工夫などが施される。これらのことから、1種類の歯ブラシが存在することは難しく、生活場面や使用目的に合わせ、多くの種類のものが開発されている。
2 . 歯ブラシの形態とブラッシングスキル
 歯ブラシを効果的に使用するぬは、歯ブラシの毛先を歯面の湾曲に合わせて毛先が垂直にあたるように角度付して磨くなどして、歯間部や歯頸部等にしっかりと毛先を届かせて磨くようにすることが重要。そのため、歯ブラシの口腔内での取り回しがし易く、歯間などの狭い部位にも、歯ブラシの毛先を合わせ易いなどの「ブラッシングスキルを伝え易くするための形態」が求められる。
 歯科医院専売の歯ブラシでは、「ブラッシングスキルを伝え易く、生かし易くするための形態」に主眼をおいたものが多い。歯科医院専売の歯ブラシを購入するのは、歯科治療や予防管理等の目的で歯科医院を受診した患者であり、ブラッシング指導を受けた人が使用することを前提としている為。特徴として、う蝕や歯周病の原因となる歯間部や歯頸部等の歯垢を確実に除去できるように、それらの歯面に合わせて、1本ずつ丁寧に磨くのに使い易い設計になっている。
 一方、一般に市販されている歯ブラシは、歯科医院専売の歯ブラシに比べて、大きさや、形状が多様である。このような歯ブラシの大きさや形状の違いは、主に、歯ブラシの開発コンセプトの違いによる。これらの歯ブラシは、ドラッグストアなどで購入するため、通常、ブラッシング指導を受けた上で使用することを前提にやっていない。そのため、その歯ブラシの多くは、一般生活者のブラッシング習慣の現状を前提に設計されたもの。即ち、一般的に多くの生活者が磨いているブラッシング方法で歯ブラシを使用した時に、効果的に清掃できるように設計されており、「ブラッシングスキルを補うための形態」が付与されているものも多く開発されている。





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