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2017年11月 9日 (木)

Clinical 嚥下食の知識 ②

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3. 摂食嚥下機能を正しく評価することの難しさ
 ところがとくに摂食嚥下機能および全身の障害を有する患者の摂食嚥下機能評価は容易ではない。何故なら摂食嚥下機能は、健康状態や体力、心理などの影響を受けやすく、変動しやすいからである。――― 嚥下食の選択はとても重要でありながらも、実際にはとても難しいのである。たとえ本領域を専門とする人が慎重に評価・診断したとしても、日常的に摂食嚥下機能と食形態とのミスマッチが起こりうる。
 評価者は、患者をたった一回のセッションのみで結論付けるのではなく、初期評価から導いた自らの判断に疑いを持ち、数日にわたって繰り返し患者を診てその妥当性を検証し、必要に応じ適宜修正する努力が求められる。
4. 嚥下食の歴史と統一化への期待
 嚥下食は、摂食嚥下障害を有する患者への食事形態として、全国の病院や施設等で自然発生的に産まれたものと思われる。当初嚥下食は、刻み食やミキサー食に代表されるような【調理方法に基づく分類】であった。1989年、聖隷三方原病院は「五段階による嚥下食」(開始食、嚥下食Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、移行食)を発表し、我が国で初めての嚥下食の指標を誕生させた。その後2001年に「嚥下食ピラミッド」(level0, 1, 2, 3, 介護食, 普通食) が提案され、嚥下食の回復と低下の両方、すなわち双方向に対応する嚥下食が示された。続いて患者が有する食べる機能に対応した―――
 【摂食嚥下機能に基づく分類】として「ユニバーサルデザインフード(UDF : 日本介護食品協議会)」や「嚥下調整食分類2013(日本摂食嚥下リハビリテーション学会)」、「スマイルケア食(農水省)」ほか多くの食事形態基準が登場した。その結果、現在のなお全国の関連機関の嚥下食基準は統一されていないで、患者の転院や在宅復帰時の嚥下食提供に混乱を与えている。今後、嚥下食はひとつの基準に統一され、全国どこにいても同じサービスが受けられることが望まれている。




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