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2017年11月25日 (土)

ファクトチェックの現在 ③

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 「フェイスブック」から参加したのはエイン・ケールさん。各国のジャーリストとの連携を担当する責任者だ。ケールさんはセミナーで同社の取り組みを説明した。見慣れたフェイスブックの画面が会場に映し出された。ただ、何かが違う。

 「ここに、赤い旗が立っているのがわかりますか?これは、ファクトチェックの結果、事実関係に問題があることが判明した記述だということを示しています」

 よく見ると、記述の先頭に赤い旗がついている。クリックすると、ファクトチェックの結果、事実と異なるとの指摘があるという説明が示され、その後で、生の記述が読めるという仕組みだ。書き込みを削除するのではなく、ファクトチェックの結果と併せて記載するという、試験的な取り組みだとのこと。

 これはファクトチェックを行う側からすると、極めて大きな意味を持つ。巨大なネットメディアがファクトチェック団体と連携する仕組みが出来ることを意味するからだ。主宰のマンツゥアレス氏が興奮を抑えきれずに話していた。

 「ファクトチェック団体の多くは非営利で、寄付によって運営されていますが、基本的に財政的には厳しい状況です。でも、フェイスブックの取り組みが本格化すれば、ファクトチェックという作業に資金が集まるようになります」

 大会でもうひとつ注目されたのは、米デューク大学が開発した、AIを駆使してフェイクニュースを見つけ出すソフトだ。それは、ファクトチェックの対象となるような政治家の言説やネットの情報を、AIを使って抽出するというものだった。開発責任者のビル・アデア教授は次のように話した。

 「これまではファクトチェックの対象となりそうな発言や情報を探すのに何人もの人を投入して時間をかけなければならなかった。時には学生を動員して、政治家の演説について、延々とペンを片手に線を引いて何時間も活字を追わねばならなかった。しかしこのソフトを使えば、瞬時に、そして自動的に、ある程度の絞り込みをしてくれる」

 仕組みは難しいものではない。政治家の発言や様々な情報をデータとして蓄積しておいて、たとえば々政治家が過去の発言とは異なることを言っていた場合、それが示されるというものだ。

 最初に紹介した米国「ポリティファクト」の、創設者の一人であったアデア教授は、このソフトを各国で使えるようさらに開発を続けていると説明した。しかし、このソフトだけでファクトチェックが出来るわけではないと釘を刺した。

 「このソフトはあくまでも事実でないとの疑いのある部分を抽出するだけで、それが実際に事実でないか否かは人が判断するエリアだ」



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