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2017年11月30日 (木)

サイロ化した情報の統合

牧野利彦(日本歯科医師会副会長)さんの文をコピー・ペー:
 昨今IT用語で「サイロ化」という文言を耳にする。サイロ(silo)といえば、牧草などを保管するための円筒形の建造物を想い出すが、ミサイルの地下格納庫もサイロというらしく、周囲から隔絶されて出入口が限られた格納施設のようである。
 かっての情報システムは、部門や使用目的ごとに開発されてきた。今よりコンピュータの性能が低くて、扱える情報量が少なかったので、範囲を絞って最適化せざるを得なかった。従って古くから運用しているシステムは、データの保存形式に汎用性がなかったり、外部との連係が想定されていなかったりして、データを取り出すのが難しいケースが多い。こうした状況を指して、「情報(データ)のサイロ化」というらしい。
 医療情報でもレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)や国保データベース(KDB)があり、医薬品医療機器総合機構(PMDA)でも以前から多くのデータベースが作られており、それぞれ独自の運用がなされている。個人認証なども正に縦割り。多くの省庁がそれぞれに進めている。また地域包括ケアの先駆的なエリアでは、そのエリア内で工夫された情報システムで情報共有をしているが、他のエリアとの互換性はない。
 しかし最近では、サイロ化しているデータをクラウド型システムに吸い上げて、他のデータと統合して活用することが可能になってきた。それだけ情報システムの性能が上がってきた。インターネット等のIT技術を活用して健康づくりに役立つ情報、サービスを利用または提供する「e-ヘルス」が提唱されてから10年以上ゆっくりとしか進まなかったものが一気に加速すると考えられる。歯科界もこの流れに遅れないよう種々の情報収集に努めている。
 ただ、今あるデータはレセプト情報や副作用情報のように医療提供側を起点にしたものが多い。発想を患者だけでなく健常者も含めた生活者を起点としたデータの収集・分析し、予防の観点からのヘルスケアデータの活用も必要であろう。
 骨太の方針に、健診の充実や健康経営が謳われたこの好機を逃がしてはならないが、ともすればITが手段であることを忘れ目的化してしまっているのと同様、健診も健診することが目的でなくその情報を如何に国民の健康維持向上に結びつけるかを肝に銘じなければならない。




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