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2017年12月 6日 (水)

Clinical 口腔感染制御が医科歯科と社会を結ぶ ①

西田亘(にしだわたる糖尿病内科院長)さんの研究文― 「口腔感染制御の意義」を内科医から述べる。
 筆者(西田)は内科医であり専門は糖尿病であるが、あるきっかけで2016年頃より、全国の歯科医師会、歯科衛生士会、保険医協会、学会、行政等からお声掛けいただき、口腔と全身のつながりをテーマにした講演活動を行っている。
 市民公開講座や県民公開講座では、自身の体験を自虐ネタとして用い「内科医の私が言っているのだから間違いございません。内科に通う前に、まずは歯医者さんに行きましょう。それが皆さんの健康と幸せにつながるのです!」と熱く熱く語りかけている。
 自虐ネタの内容は次の様だ。今から8年前、大学の糖尿病内科に在籍していた当時の私は、立派な糖尿病男子であった。歯磨は朝1回のみ、かつ10秒以下、リンゴをかじれば出血し、鼻をつまんだ家族からは口臭を指摘されていた次第、さらには、当時の体重は人生最高の92kgであり、血圧は高く糖尿病専門医なのに糖尿病予備軍間近、さらに重症の不整脈まで認識する。
 しかし、愛媛県歯科医師会との共同臨床研究をきっかけとして、本気で口の中のケアに努めるようになったところ、事態は激変した。それまでは、大学から帰ると夜食を食べ放題だったが、夕食後のブラッシングとフロスが習慣化すると、せっかくきれいになった口腔を汚したくないために、まず夜食が姿を消した。すると自然に体重が減り始め、運動習慣の確立とともに、1年間で18kgもの減量に成功。気がつけば、先程の病魔はすべて雲散霧消していたのである。
 病魔の中でも、不整脈は特に質が悪く、同級生の循環器内科医からはオペ(心筋焼灼術)を奨められていた程なので、筆者(西田)は日本の歯科界に命を救っていただいたという恩義を感じている。全国への講演行脚は、その恩返しでもある。
 こうして筆者(西田)は自分自身の体と経験を通して、歯科医療が人々の人生を劇的に好転させ得る偉大な力を持っていることを体感した。
 と同時に、どうしてこれほど貴い力を持った歯科医療の素晴らしさが、国民や医科に伝わっていないのか? なぜ日本人は、歯科定期通院をおろそかにする民族になってしまったのか? 大いなる疑問を覚えるようにもなった。
 医学もそうであるが、臨床上の勘所は、成書には書かれていないものである。そして、その勘所は社会に伝わっていない。であれば、それを気付いた人間が、声を上げて国民と医科に伝えていくしかないだろう。筆者(西田)はそのように考え、自分の専門である糖尿病という切り口から、歯科医療の重要性を発信してきた。
 当初は、糖尿病と歯周病の関連を中心に講演活動を行ってきたが、歯学を深く学習するとともに、興味の対象は”口腔感染症”へと移っていった。現在は、口腔感染症の治療、すなわち”口腔感染制御”こそが、歯科と医科を結ぶ”絆”であると考えている。そこで、医科の立場から捉えた、口腔感染制御の崇高性について述べる。





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