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2017年12月29日 (金)

インタビュー記事 ⑦

続き:
―― 若い人たちの間には、拉致被害者問題そのものを知らない人も増えているようですね。
蓮池 平壌宣言から15年ですから、30代以下の人たちは知らない人たちが多数ではないでしょうか。今回、弟が拉致被害者について提言を述べた新聞記事を見たら、「拉致被害者問題」という言葉に註がついて解説文が掲載されていました。最初は何かの皮肉なのかと思いましたが、実際に知らない人が増えているということなのですね。もはや歴史上の出来事にされてしまっているのではないかと危惧します。
 それにしても、弟は拉致被害を受けた当事者なのに、その発言を「提言」として報道すること自体、どうなのか。政策提言はマスコミ自身、もしくは学者や政治家の仕事ではないでしょうか。私もある国会議員に、「蓮池さんが先頭になってやってくれ、バックアップするよ」と言われましたが、逆じゃないかと(笑)。
 拉致被害者家族会は結成から20年経ちますし、その間何千万人もの署名を集め、アメリカにも出かけ、できることはもう200%やっています。あとはもう政府が動くのみです。そういう状態になって何年経っていると思っているのか。具体的に動くそぶりも見せず、政治利用だけを続けていく。納得がいきません。最も権力を持っている総理大臣ですら、アメリカに頼るだけの状態で、社会的にも、もうこの問題はどうしようもないな、と袋小路に入っていくような印象が広がってしまう。すぐに実現できなくても、あんなやり方がある、こんなやり方がある。と案を出してくるならば、そこから光明を見い出すこともできるかもしれませんが、それすら誰もやらない。みんなこの問題を忘れて、マスコミも報道せず、無かった事にされていってしまう。拉致被害者も、その家族も、永遠に生きているわけではないのです。
 現在、拉致問題対策本部がやっていることは、実質的には啓発ポスターを作って貼り出すぐらいです。単なるPRセンターになってしまっています。本気で解決をめざすなら、担当大臣は兼務ではなく専任にして、かつ、外務大臣と拉致問題担当大臣の権限を整理して交渉を進めるべきです。今のままでは、今後、具体的な交渉の段階に入ったときに、「縄張り」問題でまた面倒なことに必ずなります。実際には何も動いていないので面倒も起きていないのですが。
 拉致問題を節目の年である今年中に解決してほしいという被害者家族の強い願いは実現されそうにありません。関連報道も少なくなっています。
 しかし、もう本当に時間がないのです。「16年目」こそ、本腰を入れてほしいと思います。
―― 本日はありがとうございました。





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