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2017年12月24日 (日)

インタビュー記事 ②

続き:
―― 国連総会ではトランプ大統領が拉致問題について言及しました。11月のトランプ大統領では、横田早紀江さんら拉致被害者家族とトランプ大統領が面会することになっているのですね。
蓮池 トランプ大統領が国連総会で拉致問題について触れたことは拉致問題にとって大きな進展となる、と一部のメディアが大騒ぎしていました。本件が人権問題として言及されたことが重要だというのですが、差別発言を繰り返し、難民排斥を主張しているようなトランプ大統領が本気でこの問題に「人権問題として」取り組むとは私には思えません。発言は本心からのものというより、安倍総理や日本の外務省が言わせたものだと思います。
 また、横田めぐみさんについて触れたといっても、実際には名前すら言わず、「ジャパニーズ・ガール」という扱いです。こんなひどいことが起こっている、と言及しただけで、「取り戻す」とも言っていません。つまり、北朝鮮に圧力をかけるということを言うための「材料」に過ぎないということなのでしょう。
 このトランプ大統領の姿勢は、つまるところ、安倍首相の拉致問題に対する姿勢と同じだと思います。安倍首相は、拉致問題に触れつつ、北朝鮮の核開発とミサイル開発を「国難」と世論を煽り、国会を解散して選挙に利用しました。私にはマッチポンプとしか思えません。
 横田さんとトランプ大統領の面会についても、私は「意味はない」とツイッターで書きました。たくさんの批判がありましたが、考えは変わりません。世論を喚起する意味は多少あるかもしれませんが、それ以上のことはありません。
 そもそも、拉致問題の解決をアメリカのトランプ大統領に求めること自体、筋が違うのではないかと思います。被害者がアメリカ人だというならばともかく、日本政府が何もしていない日本人被害者を、なぜアメリカ政府が助けなくてはいけないのか。横田早紀江さんは、これまですでにブッシュ大統領にもオバマ大統領にも会っています。私たちも過去には渡米して上院・下院の議員にはロビーイングをして問題解決の協力のお願いをしてきたこともあります。しかし、何も動きはせず、解決もしませんでした。横田滋さんはお体の調子も良くないと聞きます。これ以上、横田さんたちを政治利用しないでほしい。
 元来、拉致問題は日本の問題で、解決をアメリカに頼るというのはおかしな話です。トランプ大統領との面談も、外務省がお膳立てをしているのでしょう。私たちがアメリカの議員にロビーイングに行ったときも、外務省が日程調整などをサポートしてくれました。しかし、本来ならば、「日本政府としてなんとかするから、外国の政府や議員に頼るのはやめてくれ」と言うべきところでなかったかと思います。
 日本政府が自ら戦略を立てて動かなければいけないところで、それは何もないまま、トランプ大統領との面談が実現したといっても、それが進展につながるようには思えません。しかし、今回の選挙でも、拉致問題についてトランプ大統領の協力をいうことがなぜか安倍政権の「功績」のように語られていました。勿論、心強く感じる人もいるかもしれないが、平壌宣言から15年たっても、まだアメリカ頼みなのかと腹立たしく思う人も多いはずです。
 横田さんを始め、拉致被害者家族の気持ちを考えてみてほしい。みんな、一日も早く被害者を取り戻すべく神にもすがる思いでずっといるのに、「トランプ大統領が拉致被害者家族と面会した」という政治利用、ガス抜きに使われただけなのです。





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